研究課題/領域番号 |
03452124
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 裕 大阪大学, 工学部, 教授 (10029233)
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研究分担者 |
田中 敏嗣 大阪大学, 工学部, 助手 (90171777)
吉岡 宗之 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029267)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 超微粒子 / 非接触 / 輸送 / 荷電 / 二重円筒 |
研究概要 |
本研究は、サブミクロンの微粒子の非接触輸送を可能にする方法を開発することを目的として計画された。 当初、管内にノズル部、それに続く広がり部を設け、剥離を伴う流れ場を作り、その中において荷電した粒子を気体力によって通過させ、電気的反力と剥離による流れの加速部を利用する予定であった。数値計算上では非接触輸送が可能であることが確認されたが、実験では流れの乱れによる壁面への付着を防ぐことが困難であった。また電極が管壁に沿って配置されているため、電気力が有効に作用しないことが明らかになった。そこで途中から方針を変更し電気力の作用が有効なように、二重円筒のそれぞれを電極とする方法に切り換えた。この方法では電極の近接が可能であるので、電気力は効果的に荷電粒子に作用する。二重円筒の外筒は静止、内筒を回転させクエット流を作った。この流れ場にある粒子には遠心力が働き粒子は外筒へ向かう傾を持つ。微粒子を荷電し、電気の符号を粒子が内筒に向かうように定めると、内筒の回転により粒子は外筒へ向かう力を受けるが、静電気力によって内筒に向かう力も同時に生じ、粒子は二重円筒間に閉じ込められることになる。本研究では、回転数と電位差を系統的に変化させて実験を行った。 先ず粒子を荷電せず内外筒の壁面にも電位差を与えない場合に対し、回転のみの影響について調べた。その結果、流れ場が回転すると乱れ度が増すため、回転しない場合に比べ粒子は周囲の壁面へ沈着しやすくなる。次に粒子を荷電し壁面にも電位差を与えた。適当な電位差では明らかに電気力の効果が表れ、電気力がない場合よりも沈着の程度を下げることができた。しかし、完全な非接触状態にはほど遠い結果であった。この原因は、流体の乱れの影響を過小評価したことにある。この点は本研究全般を通じての反省である。
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