研究課題/領域番号 |
03452151
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
直江 正彦 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016465)
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研究分担者 |
松下 伸広 東京工業大学, 工学部, 助手 (90229469)
中川 茂樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (60180246)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | フェリ磁性体薄膜 / 強誘電体薄膜 / 多層膜 / エピタキシャル成長 / 対向ターゲット式スパッタ法 / フェリ磁性体 / 強誘電体 / 光導波デバイス / コバルトフェライト / ZnO / 対向タ-ゲット式スパッタ法 |
研究概要 |
人工的にフェリ磁性体と強誘電体を数nm〜数μmの一定周期で層状に積み重ねた構造を持つ多層膜は、フェリ磁性と強誘電性を兼備した材料となる一方で、層界面での量子効果や異種金属イオン間の相互作用による偏光角の飛躍的増大も期待できる。本研究では二種の酸化物の極薄膜を組成ずれなしに交互堆積して層境界の乱れのない多層膜を作製できるスパッタ装置を開発し、異種酸化物多層膜作製技術を確立することを目的とした。異種酸化物多層膜スパッタ装置については、当初に計画した通り、膜形成用真空槽に新しく複合酸化物極薄膜堆積用に開発したスパッタ源を二対取り付けて、安定に同時グロー放電が維持できるようにし、両方の酸化物極薄層が交互に堆積できることを確認した。この装置で本研究の多層膜の構成酸化物であるBaFe_<12>O_<10>(BaM)一対をターゲットとしてスパッタ膜を熱酸化Siウェファー上に作製したところ、下地にアモルファス構造の酸化物を用いてもBaM結晶子がc軸配向し、良好な結晶成長が行なえることを確認した。この結晶子のc軸配向を完全にして垂直磁気異方性の大幅増大をはかるための下地層としてZnO薄膜やCoFe_2O_4(CoS)薄膜の作製を行なった。BaM,CoSそしてZnO各層作製時の動作ガス圧力、酸素分圧、基板温度等を変化させた種々の多層膜試料を作り、結晶構造などの微細構造と磁気特性を調ベた。その結果、良好なBaM薄膜およびCoS薄膜形成のための技術を確立することができた。従来のスパッタ技術では複合酸化物ターゲットを使用した場合、組成ずれが起こり易く、また層境界が乱れるので極薄層化が難しいが、本研究で開発した方法では異なる結晶系を有する酸化物薄膜でも数100Åの極薄膜領域から結晶成長が良好に行われることが分かった。このことより、BaMとBaTiO_3の異種酸化物薄膜の多層膜においてもそれぞれの結晶成長を保ちつつ積層化できる目処がついたとみなしている。
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