研究概要 |
1.ミスト熱分解法によるセラミクス微粒子作製装置の製作.霧化器には超音波ニブライザ(f=1MHz),熱分解反応炉には二分割縦型電気炉(炉心長1.1m)から構成される装置を作製した。出発溶液は硝酸塩を純水中に溶解し,種々の金属イオン濃度に調整したものを用いた。キャリア・ガスは窒素及び酸素(並びにそれ等の混合ガス)である。微粒子生成に関する主な結論は,(1)生成微粒子の組成は,原子質量に比例して出発溶液のものから減少する。しかし溶液のイオン濃度には無関係である。(2)生成微粒子径はイオン濃度を低げると小さくなる。イオン濃度を0.0001〜0.1モル/lに変えると粒径0.07〜0.5μmとなる。(3)キャリア・ガス流量に対する影響は小さい。 2.ミスト熱分解法による光磁気セラミクス微粒子の作製。(1)YIG(Y_BFe_5O_<12>),(2)Bi置換YIG(BiFe_5O_<12>),(3)鉛ヘキサフェライト(PbO・6Fe_2O_3),(4)オルソフェライト 3.ゲル・コーティングによるYIG及びDyIG薄膜の作製。(1)高Bi置換(X=2.7/f.u.)が可能,(2)低成長温度(530〜600℃),(3)下地基板により多結晶並びに単結晶薄膜が作製できる。 4.ゲる・コーティングによる三元系磁性酸化物薄膜の作製。(1)Bi_2O_3-Fe_2O_3-PbTi(Zr)O_3系,(2)K_2O-Fe_2O_3-Bi_2O_3系。反強磁性相のアモルファス化によって大きな自発磁化が出現する。 5.強磁性微粒子を透光性マトリクス中に分散した薄膜の磁気光学効果。Co及びCo置換Baフェライト微粒子をポリカーボネィト溶液中に分散固化する手法で透光性磁性膜及び箔を作製した。微粒子の分散状態によって磁気光学効果が制御でき新しい光波素子への応用を示唆した。
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