研究概要 |
1.所望の流量のガスを微細口径(200μmφ)ノズルを通じて試料表面へ噴出できる反応性ガス導入系の設計製作と走査電子顕微鏡試料室への装着を行った。 2.XeF_2を反応性ガスとして用いたSiO_2膜の電子ビームエッチングに関して (1)エッチングの完了は,試料吸収電流,或いは,二次電子信号が飽和した時点と判定できることがわかった。 (2)エッチング速度は,試料温度とビームエネルギは低いほど,ガス流量とビーム電流は多いほど,早くなることがわかった。 (3)スポット照射エッチングに得られたエッチング穴の表面で観測したエッチング穴径は電子ビームプロファイルの裾野径にほぼ等しいことがわかった。 (4)ビームエネルギ15keV、ビーム電流50pA、ビーム径0.06μm(プロファイルの裾野の径0.15μm)を用いて膜厚2μmのSiO_2膜にアスペクト比10の溝を形成することができた。 3.Fe(CO)_5を反応性ガスとして用いた電子ビームCVDに関して (1)CVD速度は,エッチングの場合と同様,試料温度とビームエネルギは低いほど,ガス流量とビーム電流は多いほど,早くなることがわかった。 (2)二つのA1配線にまたがるFe膜を電子ビームCVD法により形成し,その二つのA1配線間の抵抗を測定した。その結果,抵抗値は膜の形成とともに減少するが,純粋なFeの抵抗値に比較して約6オーダ大きい値となった。この原因として,A1配線表面の酸化が考えられる。
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