配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
本研究では,生物膜法の一種である礫間接触酸化法(石積浄化堤)をとり上げ,汚濁海水に対するその浄化特性を解明するとともに,実用化のための浄化機能の向上策と実海域に適用した場合の石積浄化堤の配置形状,規模などの最適諸元を検討した.平成3年度から3年間に亘る研究によって以下の成果を得た. (1)礫間接触酸化法の海水浄化過程は一次反応式で表され,浄化特性を表す式中の除去速度定数(反応速度定数)は礫層を流れる海水断面平均流速と礫層の比表面積に主として依存し,CODとSSの長期除去速度定数を上記2つの物理量の関数として実験式の形で定式化した.同時に,酸素消費速度定数についても同様な形で定式化し,これらの2つの物理量が与えられると長期除去速度定数および酸素消費速度定数が求められるようにした. (2)以上の定式化された礫間接触酸化法の浄化特性を実海域想定の石積堤に適用し,これによって閉鎖された水域の潮汐による浄化過程をFEMによって予測した.その結果,石積み堤で閉鎖された掘込型内水域の最終除去率は石積堤の配置形状,内水域の大きさにはほとんど関係せず,主として海水が透過する流路の長さに依存する.SSの最終除去率は長さが15m程度までは長さの増大とともに顕著に増大するが,25m程度以上になると一定値に達する.CODについては,長さの増大とともに緩やかに増大する.内水域の最終溶存酸素濃度を3mg/l以上に維持し,且つ浄化効果を期待するには石接堤の長さを10〜12.5にするのが最適であることを示した. (3)前述の溶存酸素濃度の低下を改善する方策として波浪による曝気効果が期待でき,その効果の定量化に指針を与えた.
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