配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
メルトスピニング法やPFC法で作製した急冷凝固箔は,急冷効果により材質の向上や新機能の創出が期待されている.しかし,急冷凝固箔の厚さは,たかだか20〜80μmでありその使用の範囲は限られる.急冷凝固箔を積層しバルク材の作製が可能であれば,急冷凝固材の新分野での使用が期待される.しかし,一般に急冷凝固材は硬く冷間での圧接は不可能であり,熱間では急冷組織が損なわれる.そこで本研究では溶湯から直接急冷凝固箔を積層しバルク材を作製する方法を考案し,実験を行い本方法の有効性について検討した.以後は本研究で新たに試みた回転するディスクの表面に溶湯を噴出し急冷凝固箔を積層させる方法(回転ディスク法)と回転するドラムの内面に溶湯を噴出し急冷凝固箔を積層させる方法(回転ドラム法)の研究結果について示す. 回転ディスク法では,ディスクはSUS304製で室温と100℃,ディスク周速を24,47m/sの2条件,ノズル数を1〜7個として急冷凝固箔の積層化を検討した.その結果厚さ20〜50μm,冷却速度10^3〜10^4℃/sの急冷凝固箔を最高80層程度まで積層することが可能であった.この結果よりディスクに固着した急冷凝固箔の上に溶湯を噴出してもその凝固層は溶湯から熱的影響を受けず,また溶湯はディスクに直接接触しなくても急冷凝固されることが明らかになった.この方法の利点は,もし積層材表面に未凝固の溶湯が存在したとしても遠心力により溶湯が飛散し,一周した後はノズル直下では未凝固の溶湯が存在しないことである.しかし,ディスクと積層材との固着問題があり,水平に回転するドラムの内面に溶湯を噴出する回転ドラム法を開発した.回転ドラム法では,溶湯の噴出を断続的に行ったり,積層中に溶湯噴出量を調節することで冷却速度が10^3〜10^5℃/sで厚さが10〜50μmの箔を10mm程度の厚さに積層させることができた。
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