研究課題/領域番号 |
03452257
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正紀 京都大学, 工学部, 教授 (70229970)
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研究分担者 |
大槻 徴 京都大学, 工学部, 助手 (10026148)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1991年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 薄膜歪 / 薄膜応力 / X線回折 / In / X線回析 |
研究概要 |
硬い基板に蒸着された薄膜の歪挙動を二年間にわたり研究した。初年度は1.歪測定に必要な実験装置の設置、2.Si基板上にIn薄膜の作製、3.歪の膜厚および結晶方位依存性の測定に集中した。これらの主な研究実績を下記にまとめる。 1.歪測定装置の設置 (1)歪測定に必要な試料冷却装置を既存のX線回折装置に設置した。試料室はスパッター真空装置を用いて真空にした。 2.In薄膜作製 (1)In薄膜蒸着を抵抗加熱ヒーターを用いて10^<-6>Torrの真空下で行い、0.10〜0.14μm厚の薄膜を作製した。 (2)In薄膜を用いた主な理由は(1)Inは大きなX線散乱因子を有する、(2)熱膨張係数と弾性係数は強い結晶方位依存性を示すためである。 3.主な実験結果 (1)試料冷却装置内で15Kに冷却した際にIn薄膜に導入される歪が測定できた。 (2)膜表面の垂直歪は結晶方位依存性を示し、(111)面が膜面に平行な結晶粒は(100)面のものに比べ50%以上弾性的に歪んでいる事が明らかになった。 (3)実測された弾性歪の結晶方位依存性は平面歪モデルで計算された結果とよく一致した。しかしながら測定された歪の絶対値は理論値の約半分であり、50%程塑性変形していることが明らかとなった。これは膜と基板間のすべりが生じたと考えるより、膜の構造が島状であるため、塑性緩和が容易に生じたためとみなすことができる。
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