研究課題/領域番号 |
03452265
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60159019)
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研究分担者 |
山本 潤 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10200809)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 相分離現象 / 画像処理 / ぬれ現象 / パターン形成 / 非平衡現象 / 高分子混合系 / 構造制御 / ポリマーアロイ / 相分離 / 結晶化 / 液晶化 / ゲル化 / 化学反応 / 競合現象 |
研究概要 |
混合物の相分離現象は、様々な物質系に普遍的な現象であり、古くから非平衡過程におけるパターン形成の基本的問題、材料の構造制御の基本現象として注目を集め精力的に研究されてきた。最近我々は、高分子系において、相分離現象と他の非平衡現象の動的な競合の結果。興味深いパターンが形成されることを見いだした。一般に、相分離現象は他の非平衡現象、物質自身の持つ内部自由度、他の相転移現象などと複雑に競合する可能性がある、本研究では、(1)相分離と結晶化、(2)相分離と化学反応、(3)相分離とぬれ現象といった競合過程に注目し、画像解析技術を用いてこれらの競合のダイナミクスに関して定量的研究を行った、その結果、(1)に関しては、結晶化による相分離の停止効果、球晶成長に対する相分離誘起変調効果等を見いだした。(2)に関しては、エステル交換反応と相分離が競合する際に、相分離速度と化学反応速度の動的な競合により、相分離構造の時間発展・界面構造に大きな差が現れることが明かとなった。(3)に関しては、相分離とぬれの競合により1次元・2次元的束縛領域中で、異方的なドメイン成長がみられること、ぬれの利用により、相分離構造制御、表面コートなどに新しい可能性が開けることが示された。 これまで殆ど研究がなく、どのようなパターンが形成されるか予想することさえ因難であったが、この様な研究により、相分離と他の非平衡現象の競合に関して、高分子系に限らず一般的描象が明らかにされると期待される。また、工学的には、相分離と他の現象の競合を積極的に利用することにより、本研究で得られた知見がポリマーアロイの不均一構造材料の意図的構造制御に新しい自由度を与えるものと期待される。
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