研究課題/領域番号 |
03453002
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 礼三 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80169531)
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研究分担者 |
澤 博 東京大学, 物性研究所, 助手 (50215901)
青沼 秀児 東京大学, 物性研究所, 助手 (70231777)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 有機超伝導体 / 低次元電気伝導体 / πドナー分子 / 分子設計 / スピン密度波 / TTF化合物 |
研究概要 |
本研究の目的は、二次元電子構造を持つ有機超伝導体の開発を中心に、有機伝導体における電子構造の次元性の制御に関する分子設計を検討する点にある。また、有機ドナー分子BETSを合成する際に開発した、チタノセン錯体を経由するTSeFユニット合成法を、他のTSeF誘導体の合成に応用した。 本年度は昨年度に引続き、BEDT-TSeFとTMTSFの各々半分のユニットからなる非対称ドナーDMET-TSeFのカチオンラジカル塩の物性を検討した。その結果、(昨年度報告した)AuI_2塩に加えてI_3塩も常圧超伝導体(T_c=0.6K)であることを見出した。また、この系で見出された磁場誘起状態が磁場誘起スピン密度波(FISDW)状態であることが明らかとなった。従来のTMTSF系とはアニオンの種類等が異なるので、今後この系は、FISDWと超伝導との関係を含め、磁場誘起状態の本質を理解する上で重要な系になると思われる。また、BEDT-TTFとHMTSFの各々半分のユニットからなる非対称ドナーTMET-STFを、チタノセン錯体を経由するTSeFユニット合成法で簡便に収率良く合成できることを見出した。このドナーのカチオンラジカル塩の単結晶を作製し、その物性と結晶構造を検討した。その結果、(TMET-STF)_2X(X=ClO_4,BF_4)が、擬一次元的なフェルミ面を持つドナー層と二次元的なフェルミ面を持つドナー層とがアニオン層に隔てられて共存しているという興味ある構造を持つことが判明した。このように次元性の異なるユニットが一つの結晶の中に共存している系は珍しく、その電子物性を今後検討していく予定である。
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