研究課題/領域番号 |
03453086
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹原 善一郎 京都大学, 工学部, 教授 (00025892)
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研究分担者 |
内本 喜晴 京都大学, 工学部, 助手 (50193909)
金村 聖志 京都大学, 工学部, 助手 (30169552)
小久見 善八 京都大学, 工学部, 教授 (60110764)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | リチウム二次電池 / ポリアニリン / 電解重合 / 非水溶媒 / アニリン / 四フッ化ホウ素酸アニリン / 拡散 / 充放電特性 / 四フッ化ホウ素酸塩 / 非水系二次電池 / 非水系重合 / アニリニウム塩 |
研究概要 |
ポリアニリンを正極活物質とする非水係リチウム二次電池の充放電特性を向上させるために、ポリアニリンの新規合成条件の開発を行った。これまで、ポリアニリンはアニリンを四フッ化ホウ素酸や過塩素酸等の酸性水溶液中で電解重合することにより作製されてきた。この方法では電解重合時にポリアニリンの酸化分解反応が生じたり、水分をリチウム電池内に混入させたりする可能性があり、電池機能材料の作製方法としては適さない。そこで、本研究では、非水溶媒係での電解重合によりポリアニリンを作製することを試みた。また、非水系での重合はアニリンの重合反応とも関連しているため、重合反応機構に関する考察も行った。反応機構を考察した結果、プロトン供給源が必要であることが分った。そこで、非水溶媒中にアニリンを導入するのではなく、四フッ化ホウ素酸とアニリンより合成した四フッ化ホウ素酸アニリンを導入する方法を試みた。このような系ではアニリンとプロトンが同時に供給されており、電解重合に都合がよいと考えられた。実際に、一定電流の条件で電解重合を行ったところ、電極上に重合生成物が得られ、分析の結果ポリアニリンが生成していることがわかった。これらの結果より、我々の考えた反応機構の妥当性を示すことができた。また、電気化学的活性について調べた結果、水溶液で重合したポリアニリンと同程度に活性のあるポリアニリンが得られていることがわかった。しかし、プロピレンカーボネートを溶媒に用いて合成したポリアニリンは、大電流での放電特性において水溶液で合成したものより劣っていた。この原因は、水溶液中で得られるポリアニリンは比表面積が大きいフィブリル構造であるのに対して、非水系で重合したものはブッロク状の塊の集合体で比表面積が小さいためと考えられた。そこで、溶媒の種類を変えて電解重合を行ったところ、アセトニトリル中での電解重合によりフィブリル形状のポリアニリンが合成できることがわかった。充放電試験を行い、その電池特性について調べた結果、大電流での放電においても優れた結果が得られた。
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