研究課題/領域番号 |
03453087
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中辻 博 京都大学, 工学部, 教授 (90026211)
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研究分担者 |
中井 浩巳 京都大学, 工学部, 助手 (00243056)
波田 雅彦 京都大学, 工学部, 助手 (20228480)
三木 定雄 京都大学, 工学部, 助手 (30135537)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 触媒反応 / 金属酸化物 / 金属クラスター / 金属表面 / 分子軌道法 / SAC / SAC-CI法 / Dipped Adcluster Model / 触媒作用 / 固体表面 / 光反応 / 解離吸着 |
研究概要 |
本研究の目的は、金属及び金属酸化物からなる固体触媒、および金属クラスターの表面反応や金属錯体の触媒作用を理論的に研究し、それらの電子的過程を解析することによって、固体表面の触媒活性と反応選択性を明らかにすることである。この目的に沿って以下の研究を行った。 まず、表面一分子系を扱う理論の開発を行った。従来のクラスターモデルでは固体-吸着分子間の電子移動を十分に記述できなかった。我々は、バルク固体の中に分子を吸着したクラスターを埋め込み、バルク固体の働きをその自由電子の流入・流出で代表させるモデルーーDipped Adcluster Model(DAM)ーーを考案し、この方法が固体金属触媒を良く表現することを示した。また、固体金属表面では鏡映力(image force)という正電的相互作用が重要あることを示した。 上記の方法を用い、銀表面における酸素分子の解離吸着の電子的メカニズムを明らかにした。この反応はエチレンの部分酸化の初期過程として重要である。我々は、この反応を理論的に記述することに初めて成功した。銀表面で酸素分子は、superoxide(O2^-)とperoxide(O2^<2->)の状態でも存在し、後者が解離状態に至ることを明らかにした。さらにハロゲン分子が化学発光を伴ってアルカリ金属表面に吸着する現象を解明した。我々の方法のは、電子のHapooningと発光に電子的過程を再現した。 また、酸化亜鉛表面やリチウム金属表面での水素分子の解離吸着過程について研究した。酸化ジルコニウム表面で、水素分子が分子状と解離状に吸着することを示した。この結果は実験的示唆と良く一致している。 さらに、過マンガン酸イオンの基底状態および励起状態を詳細に解析し、この分子が光解離反応によって酸素を発生するメカニズムを理論的に明らかにした。Os-WやOs-Crといった複核金属錯体が金属ー金属間配位結合を持つことを理論的に示し、その構造や反応性を解析した。
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