研究課題/領域番号 |
03453098
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐分利 正彦 東京大学, 工学部, 助教授 (90011022)
|
研究分担者 |
高橋 保 分子科学研究所, 錯体化学研究施設, 助教授 (30163273)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | ルテニウム錯体 / 5配位錯体 / 分子状水素錯体 / アゴスティック相互作用 / 水素交換反応 / C-Hの活性化 / シラン / 配位不飽和錯体 / σ結合活性化 / 3中心2電子結合 / ヒドロシラン / ルテニウム / 水素交換 / C-H結合活性化 / ジルコニウム / 水素移動水素化 / 不斉水素化 / ヒドロシリル化 |
研究概要 |
配位不飽和な5配位ルテニウム錯体[RuH(P-P)_2]PF_6(P-P=各種ジホスフィン)の空の配位座に水素分子(H_2)が配位した分子状水素錯体[RuH(H_2)(P-P)_2]PF_6の溶液中での挙動をNMRを用いて検討した。この分子状水素錯体におけるH-Hσ結合の活性化は、Ru-HとRu-(H_2)との間の水素交換の速度論的パラメータにより比較することが可能であり、ジホスフィンのキレート環のflexibilityが大きいほど水素交換速度が大きくなることを、配位子としてdpbpとbinapを用い、両者の水素交換速度を比較することにより明らかにした。また、ジホスフィンとしてdiopを用いると、水素交換の中間体と考えられる錯体が存在することが^1HNMR測定にの結果から示された。 一方、上記5配位錯体のうち、P-P=dppbおよびdiopについて、低温でジホスフィン配位子のアルキル鎖のC-H基がそのσ電子により中心Ruに配位する、いわゆるagostic相互作用を示すことを見出した。そして、これら錯体において、Ru-HとC-Hの交換が-30〜60℃という低温においてもかなりの速度で進行すること、言い換えると、C-Hσ結合の活性化が容易に進行することを示した。このことは、agostic相互作用が金属によるC-H結合の活性化の中間状態というよりも、活性化の一つのパターンであることを意味する。 さらに、P-P=dpppの5配位錯体とシランH-SiR_3との反応により、H-Si結合がσ結合により配位した[RuH(H-SiR_3)(P-P)_2]^+が生成すること、配位したシランが水分子やアルコールと容易に反応してシロキサンやシリルアルキルエーテル与えるとともに、錯体側は分子状水素錯体へと変化することを明らかにした。また、反応の詳細をNMRにより検討した。
|