研究課題/領域番号 |
03453102
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 治和 大阪大学, 工学部, 教授 (20028963)
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研究分担者 |
芝田 育也 大阪大学, 工学部, 助手 (10196420)
馬場 章夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (20144438)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | スズエノラート / 高配位化 / 1、4-ジケトン / スズヒドリド / 立体選択的還元 / 1.4-ジケトン / 官能基選択性 / スズエノラ-ト / ジアリルスズ / 有機スズ錯体 / 1.4ージケトン / アリルオキシラン / エポキシケトン / αーハロケトン |
研究概要 |
本申請研究は有機スズ化合物の、有機合成的利用範囲を広げることを目的としており、現在最も有用なスズ試薬である有機スズエノラートと有機スズハイドライドを錯体化することによって全く新しい反応性を発現させることに成功したものである。以下にその概要を示す。 1.スズエノラートとα-ハロケトンとからの1、4-ジケトン合成 この反応は従来はハライド位でのカップリング反応は起こらず、Pd触媒を用いての検討も単なる反応速度の向上に終っている。今回、ホスフィンオキシド系やオニウムハライド系の配位子でエノラートを高配位錯体化することによってその反応の官能基選択性を完全に転換することが可能となり、ハライド位でのカップリングにより1、4-ジケトンが温和な条件で選択的に得ることができた。さらに、この方法が各種のエノラートやハロケトン、ハロエステルに展開可能であることを実証した。中間に生成すると思われる付加体をNMRスペクトルで確認、追跡することによって反応機構を明かにし、高配位化が本質的に官能基選択性を転換していることを示すことができた。現在更に、この高配位化方法を用いて官能基選択性に加えて、立体選択性をも制御できる方法の端緒を見いだすに至っておりその開発に努力している。 2.高配位化スズヒドリドによるアルコキシケトンの選択的還元 有機スズヒドリドは一般にラジカル還元剤として認識されており、その用途は限定されたものとなっている。申請者達はこれを高配位化させると、ヒドリド性が向上し種々の極性官能基の環元が可能となり、しかも耐官能基性にもすぐれることを、アルコキシケトンのカルボニル基のみの還元によって実証し、さらにこの還元が非常に稀なFerkin則に従う立体選択的反応であることを明らかにした。さらに現在エポキシケトンへの展開が可能であることを見出し、展開中である。
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