研究課題/領域番号 |
03453103
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村井 真二 大阪大学, 工学部, 教授 (00029050)
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研究分担者 |
大江 浩一 大阪大学, 工学部, 助手 (90213636)
茶谷 直人 大阪大学, 工学部, 助教授 (30171953)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 触媒 / シリルコバルト / アセタール / ラクトン / コバルトカルボニル / ヒドロシラン / 一酸化炭素 / シロキシメチル化 / コバルト / 常圧カルボニル化 / カルボニル化 |
研究概要 |
安価で入手容易な原料を高付加価値製品へと変換する効率の良い手法を開発することは、有機合成化学に課せられた重大な使命である。その一つとして一酸化炭素の有効利用があり、実用に供せられているものもいくつかある。しかしながら、これらの従来の研究結果にはまだ多くの解決すべき問題点が残されたままである。それは、より温和な反応条件下での有用な触媒系を開発することであろう。本研究は、従来ほとんど例のない、常温において進行する一酸化炭素有効利用のための触媒系を設計し実現しようとするものである。そのための設計指針として、従来の一点活性型触蹴ではなく、2中心活性型触媒を検討した。 前記の目的と方針に従い種々の触媒系の探索を行った。その結果ケイ素とコバルトとの結合を有するシリルコバルトカルボニルが合目的触媒系であることが明らかとなった。この触媒では、ケイ素の部分が含酸素基質を活性化し、コバルトの部分がカルボニル化に有効な活性点となっている。このような元素親和性のマッチングの探索を系統的に行い、2中心型新触媒原理を提唱するとともに常温で活性な触媒系をいくつか実現した。主要な成果としては、1)コバルト触媒存在下、アセタールや小員環ラクトンと一酸化炭素とヒドロシランとの反応、2)コバルト触媒存在下、芳香族アルデヒドと一酸化炭素との反応、および3)コバルト触媒による含酸素化合物への一酸化炭素の常温導入反応の立体化学の解明、の3点が挙げられる。 本研究の成果は、これまで例がない常温カルボニル化反応をいくつか実現できたこと、および、これを通じて新触媒系とその新しい基本原理を提示できたことであり、これらの成果は触媒設計指針の開発に関し貢献するところ大であると考えられる。
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