研究課題/領域番号 |
03453123
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梶内 俊夫 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (30016555)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 水性二相分配 / 静電的相互作用 / 疎水的相互作用 / 立体的相互作用 / 反応型水性二相系 / 水性2相分配抽出 / 反応性水性2相抽出 / 修飾酵素 / 選択的分離 / 反応分離 / 親・疎水性 |
研究概要 |
反応基としての無水マレイン酸基とアルキレンオキサイド誘導体との交互共重合体は水溶性高分子であり、リン酸カリウム塩などと適当配合することにより水性二相分配系を形成する。無水マレイン酸は水溶液状態で解離するためpHに対して敏感に応答する一方、適当な条件下で、タンパク質表面のアミノ基と共有結合する。このような性質を持つ水性二相系は従来になかったタイプであり、本研究を通じてその開発ならびに特徴を明らかにできた。水性二相系におけるタンパク質の分配係数は、二相系そのものの平衡状態、目的物質であるタンパク質と二相系との、疎水的相互作用、静電的相互作用、立体的相互作用などに支配される。本研究で開発した二相系(AKM系)の上記にかかげたような特徴を明らかにするために、ポリエチレングリコール/リン酸カリウム系(PEG系)を標準系として比較した。その結果、AKM系の二相間の平衡状態はpHにより敏感に対応することが見いだされた。アミノ酸を標準物質としての分配実験では、系の疎水性、静電相互作用について従来の理論を拡張できた。さらに、タンパク質の分配実験を通じて、立体的相互作用の実態にせまるとともに、AKM系はpHによるコンフォメーション変化のためにPEG系に比較して、タンパク質の分配をより容易にコントロールできることを見い出した。したがって、これらの特徴を生かす分離操作の基本指針が明らかにされた。反応を利用した分配では、親水性の強いセルラーゼを対象に検討した。セルラーゼはその親水性のために高分子相への分配係数はきわめて低い物質であるが、適当な条件下で反応後分配させると大きな分配係数の向上が見られた。以上の結果を総合すると、比較的高pHで反応し高分子側へ選択的に分配分離し、次に低pHにシフトして結合を切断しつつ、目的物質を塩相側で回収するという有効な分離手段が開発できた。
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