研究課題/領域番号 |
03453156
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
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研究分担者 |
飯田 彰 京都大学, 薬学部, 助手 (40202816)
井上 謙一郎 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40025713)
上田 伸一 京都大学, 薬学部, 助教授 (20025688)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 免疫抑制物質 / 真菌類 / 冬虫夏草菌 / マイセリア菌 / 異常アミノ酸 / 構造決定 / リンパ球混合培養反応 / 皮膚移植 |
研究概要 |
菌類の生産する免疫抑制物質の探索を冬虫夏草菌類について行い、活性物質数種を単離しその作用機作を検討すると共に合成を計画した。 1)ISP-I並びにその類縁体の単離:ISP-Iは免疫抑制活性物質としてI.sinclairiiから、初めて単離された。いわゆる冬虫夏草菌Cordyceps sinensisの培養液について免疫抑制活性を指標として成分を検索したところISP-Iを単離同定することができた。ISP-IはMycelia sterilia菌によりI.sinclairii菌よりも効率よく生産される。その培養液から既知のISP-II、-IIIb、-Vの他に、新規活性物質として、ISP-IIIa、-Vを得た。また新たにそれらのdihidro体に相当する物質もえられた。 2)ISP-I並びに誘導体の免疫抑制活性:ISP-I及び14-deoxo-ISP-Iの動物を用いた移植実験では毒性が強く、使用にさいし安全域の狭いことが判明した。また新規天然物についてマウス同種リンパ球混合培養反応(MLR)、細胞毒性、皮膚移植について試験した。その結果はISP-Iのそれらと大きな差異は認められなかった。 3)ISP-Iの免疫抑制機作:ISP-Iはin vitroにおいて同種抗原刺激による同種細胞障害T細胞(alloCTL)の誘導をサイクロスポリン(CsA)よりも強力に抑制した。そこでin vivoにおけるISP-IのalloCTL誘導抑制について検討した。その結果ISP-IはCsAと異なりインターロイキン(IL)-2依存性のT細胞の増殖を特異的に抑制することが強く示唆された。 4)ISP-Iの合成:ISP-Iの合成の設計方針としてFragmentA〜Cに三分割した。AはD-セリン部、Bはグリコール部、Cはケトアルキル部よりなる。A部はD-バリンからSchollkopfらのcyclo(D-Val-2-amino-malonyl)bis-lactam dimethyl etherを合成した。B部はスズエノレートを活用する不斉アルドール反応により、またC部は1、8-octanediolから合成した。AとB部の結合は不斉アルキル化、A-B部とC部の結合はWittig反応により結合させISP-Iの合成を完成させることができる。
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