配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
研究概要 |
矮性トウモロコシ(D_8)はジベレリン非反応性で,内生ジベレリン含量も多いことから,ジベレリンリセプターの一種が欠損した変異体ではないかと考えられてきたが,それを証明したものはなかった。そこでジベレリンリセプターの候補となりうるジベレリン結合タンパク質を,アフィニティークロマトグラフィーの手法を用いて単離する方法を確立し,正常種及びD_8からジベレリン結合タンパク質を単離して,それらを比較した。正常種ではGA_4に対する解離定数が3×10^<-7>Mと1.3×10^<-6>Mの2つの結合部位が見い出されたが、D_8には1.3×10^<-6>Mの結合部位しか存在せず,高い親和性を示す部位は検出されなかった。両者に含まれるジベレリン結合タンパク質はいずれも結合の特異性,飽和性,可逆性を有しており,リセプターとしての3条件を備えていた。さらに,電気泳動でそれらの比較を行ったところ,正常種には含まれるがD_8には欠損しているジベレリン結合タンパク質(GBP-3)を検出したので,このGBP-3に注目して精製を行った。精製したGBP-3は,分子量が280,000で,分子量70,000のサブユニットから成っていた。GA_4のGBP-3への結合は,活性型ジベレリンであるGA_1,GA_3で強く阻害されたが,不活性型GA_<13>では阻害されなかった。またGBP-3のGA_4に対する解離定数は5×10^<-7>Mであり,高い親和性の結合部位とほぼ同じ数値であった。 以上の結果から,GBP-3がD_8に欠損していると言われているジベレリンリセプターの可能性が考えられたので,GBP-3抗体を用いてそのcDNAクローニングを試みた。λgt11に組み込んだcDNAライブラリーから2個のポジティブクローンが得られ,現在それらの解析を行っているところである。
|