研究課題/領域番号 |
03454020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 統 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)
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研究分担者 |
佐々木 哲彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60235257)
山下 哲郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20202377)
藤原 晴彦 東京大学, 理学部, 講師 (40183933)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 細胞内共生 / シャペロニン / エネルギー共役 / ヒスチジンタンパク質キナーゼ / グルタミン / 分子適応進化 / 腸内細菌 / 分子進化 / ツノアブラ族 / 共生体置換 / ヒスチジン・タンパク質キナーゼ / リン酸化 / 窒素再循環系 / 消化共生 / アブラムシ / 細胞内共生体 / シンビオニン / symオペロン / 自己触媒活性 / 分子シャペロン / 有機窒素再循環 |
研究概要 |
1.シンビオニンは高エネルギーリン酸化合物を基質として自らをリン酸化する活性をもち、また、そのリン酸基を他の受容体に渡すリン酸基転移活性をもつ、一種のエネルギー共役タンパク質である。この意味では、シンビオニンは大腸菌等のシグナル伝達機構におけるtwo-component-systemを構成するヒスチジン・タンパク質キナーゼを想起させるが、今のところ両者にタンパク質としての相同性は認められない。 2.シンビオニンのリン酸化部位はHis-133と推定された。この部位はGroELではAla残基であり、きわめて保存度の高い周囲の配列とは対照的に、シンビオニンでは3連続塩基の置換によってこの部位にHisが創出されている。このことは、シンビオニンが少なくともこの部位においてはポジティブな選択によって新たな機能を獲得したことを示唆し、分子レベルの適応進化の可能性をうかがわせる。 3.大腸菌においてgroEオペロンのGroES,GroELの発現量はたがいに等しいが、共生体ではシンビオニンに比べ前者に当るタンパク質の発現量は非常に少ない。 4.共生体はグルタミンを利用して、ホストの不可欠アミノ酸を合成するが、その前段階としてグルタミンはまず菌細胞によってグルタミン酸とアンモニアに変えられてから共生体に吸収される。 5.アブラムシのもつ腸内細菌の1つは大腸菌と似ているが、より低温に適応している。また、いくつかの遺伝子構造の比較から、この細菌の方が大腸菌より共生体に近い性質をもつことが明かになった。
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