研究課題/領域番号 |
03454038
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
安田 昭三 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60033106)
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研究分担者 |
力石 和英 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90220798)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 完熟胚培養 / 未熟胚培養 / ソマクローナル変異 / オオムギ / 植物体再分化能 / ダイアレル分析 / カルス形成能 / 再分化能の遺伝 / 通気処理 / 底刺長・短毛 / 踈・密穂 / 大麦の組識培養 / 未熟胚と完熟胚培養系の比較 / 胚培養と形態的形質 / 大麦品種の胚培養に関する地理的分布 / 大麦培養系のソククロ-ナル変異 |
研究概要 |
オオムギは培養細胞からの再分化などが他の作物に比べて比較的困難とされているために、バイオテクノロジーの育種への適用に関する研究が遅れている。そのため、再分化能の高い系統についてその遺伝支配とメカニズムの解明が望まれている。当研究所には約6000の世界中のオオムギコレクションがあり、これを利用して以下のような解析を行った。 (1)不定根や植物体再分化についての品種変異及び地理的分布、(2)完熟胚培養系および未熟胚培養系におけるカルス形成や分化に関する生理的要因の解析、(3)ダイアレル分析によるカルス形成能、不定根や植物体再分化能に関する遺伝解析、(4)培地の乾燥、光の有無、ホルモンの量など培養環境の不定根や植物体再分化に及ぼす影響、(5)ソマクローナル変異について、染色体と形態的変異についての調査、(6)1核期の花粉を用い、液体振盪培養を行い、カルス誘導、不定根、植物体再分化の品種間差の検討。 これらの結果、再分化能に関して影響を与える要因は複数存在することが明らかになった。その一つは再分化を直接支配する遺伝子で、その種類もしくは存在の有無により再分化率が変動すると考えられる。また、不定根再分化と幼植物再分化を支配する遺伝子はそれぞれ別の存在していることが推測された。第2に、未熟胚と完熟胚の差異は内生ホルモン含量の差異が関係していることが考えられ、このような生理的変化が、遺伝子の作用に影響を及ぼしているものと推測された。これはカルスの性状を変化させることから、脱分化の時点で既に作用を開始しているといえる。第3は、光や水分などの培養環境に対する反応性で、これは温度や培地成分などと共に品種間差が明かであり、遺伝的支配によることが示唆された。これらの要因間の相互関係については今のところ不明であるが、オオムギの再分化能は、個々の要因に対して高い反応性を有する遺伝子型を見つけ、組み合わせることにより改良することが可能であると考えられる。
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