配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
ヒトや家畜などの高等動物の卵巣では卵子の形成,卵胞の発育・破裂(排卵),黄体の形成・維持など,多様な現象が営まれている。卵巣にみられるこのような現象は,さまざまな生理活性物質によって調節されていると考えられるが,卵巣機能を生理,形態学的に解析する過程で私達は,いくつかの新しい生理活性物質の存在を推定してきている。本研究は,このような推定を背景として,卵巣機能を調節する新しい生理活性物質群を単離・同定し,それらの構造を明らかにしようとしたものである。平成3年〜5年度に得られた主な成果は次の通りである。 (1)ホッキ貝の卵表層から卵成熟(卵核胞崩壊)を抑える分子量18KDのタンパク質を分離した。 (2)妊娠婦人の尿からマウスの卵母細胞の極体形成(第2減数分裂中期への移行)を抑えるタンパク質を分離し,N末端のアミノ酸配列を決定した。 (3)マウスの卵母細胞の減数分裂再開始に卵丘と顆粒層の間に蓄積する負に荷電したグリコサミノグリカンが関与することを明らかにした。 (4)卵母細胞の成熟,死滅の過程でc-fos遺伝子産物が発現することを明らかにした。 (5)卵巣から上皮成長因子の血管増殖能を増強させるグリコサミノグリカンを分離した。 (6)卵母細胞の退行(異常分割)を抑えるグリコサミノグリカンを分離した。 (7)顆粒膜細胞と黄体で発現する遺伝子を系統的に解析するとともに,黄体形成過程で強く発現するコラーゲナーゼインヒビター遺伝子の構造を明らかにした。
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