配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
鶏のマレック病ウイルスに対する抵抗性について,胸腺摘除ならびに移植による効果,遅延型過敏症反応能に対する選抜,および制限酵素断片長多型(RFLP)分析などにより研究し,次の結果を得た. 1.マレック病抵抗性の異なるIgG-HおよびIgG-Lの2系統を用いて,それらの間で胸腺摘除並びに移植を行い,これらの処理がマレック病抵抗性に及ぼす遺伝的効果について分析した.胸腺摘除群では両系統ともにマレック病抵抗性の低下がみられた.胸腺移植群では,抵抗性のL系統の胸腺を移植されたH系統では抵抗性の回復がみられたが,感受性のH系統の胸腺を移植されたL系統では抵抗性がさらに低下した.すなわち,移植された胸腺のもつ遺伝的効果が移植された雛に移されることが推測された. 2.BCGに対する遅延型肉垂反応能について,鶏を5世代にわたり高低2方向に選抜し,マレック病抵抗性に及ぼす効果について分析した.遅延型肉垂反応に対する選抜は効果的で,実現遺伝率は0.44であった.選抜第3世代並びに第4世代の雛を用いてマレック病ウイルスの接種試験を行った.その結果,遅延型肉垂反応について低方向に選抜した系統は高方向に選抜した系統よりもマレック病に対し抵抗性を示すことが見出された.このことは遅延型肉垂反応を利用してマレック病抵抗性系統を作出することが可能であることを示唆している. 3.前項でのべたマレック病ウイルスを接種した雛より血液を採取して,主要組織適合複合体のB-FおよびB-L領域に対するcDNAプローブを用いて,RFLPの分析を行った.RFLP型における特定バンドの有無によってマレック病発症率の差を分析したところ,B-F領域ではEcoRI消化の場合に,B-L領域ではPvuIIおよびPstI消化の場合にそれぞれ特定のRFLP型とマレック病発症率との関連性が推測された.
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