研究課題/領域番号 |
03454116
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
酒井 眞弘 (1992) 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
小川 和朗 (1991) 京都大学, 医学部, 教授 (20077556)
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研究分担者 |
野田 亨 京都大学, 医学部, 助手 (50156204)
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ギャップ結合 / 肝細胞 / 心筋細胞 / 毛様体上皮細胞 / 免疫電顕 / ホルボールエステル / Na-K-ATPase / ギャップ結果 / プロテインキナーゼC / 眼房水産生 / 免疫電顕細胞化学 / プロティンキナ-ゼC / ホルボ-ルエステル |
研究概要 |
ギャップ結合(gap junction、以下GJと略す)を介する細胞間情報伝達の調節機構は未だ明らかではないが、GJ蛋白のリン酸化によって、GJの高次構造が変化し、親水性チャネルの開閉が制御されている可能性が示唆されている。GJ蛋白のプロティンキナーゼC(PKC)によるリン酸化は、発癌プロモーターであるホルボールエステルによるGJを介する細胞間連絡の阻害機序に関係することが推察され、特に注目されている。我々は家兎肝、心筋ならびに毛様体上皮細胞におけるPKCの細胞内局在とホルボールエステル(TPA)処理による動態変化を、免疫細胞化学的に検索した。免疫標識は、心筋細胞のクロマチンを含む核基質、筋形質(I帯付近)、筋小胞体、デスモゾーム、GJに認められた。肝細胞において、核基質、細胞質(グリコゲン野)、滑面小胞体、ディッセ腔側の微絨毛に標識は認められたが、GJは標識されなかった。新鮮肝未凍結切片(100ォm厚)を100nMTPAに20分間浸漬した場合、GJならびに毛細胆管の閉鎖結合にPKCの免疫標識が認められた。毛様体上皮細胞ではTPA処理によって、Na-K-ATPase活性の減弱が観察された。PKCの形質膜へのtranslocationは見られるが、GJへのtranslocationは観察されなかった。この所見は (1)TPAは毛様体上皮細胞のPKCの形質膜へのtranslocationを誘起し、Na-K-ATPase活性を抑えることによって房水産生を抑制するが(2)GJへの直接的な影響は見られないことを示唆した。TPAによる房水産生の抑制は、GJを介さなず、TPAによって活性化されたPKCのNa-K-ATPase活性への直接的な影響によると考えられる。本研究によって、(1)PKCは心筋細胞GJに生理的条件下で存在する、(2)細胞間連絡を阻害するTPAはPKCのGJへの誘導を引き起こす、(3)PKCはGJのみならずその他の細胞間結合装置の機能にも関与する可能性を示唆した、しかし、毛様体上皮細胞ではPKCのGJへのtranslocationが観察されなかったように、組織細胞によって、TPAの効果は異なると考えられる。
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