研究課題/領域番号 |
03454128
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 智幸 京都大学, 医学部, 講師 (40092415)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | スライス / パッチクランプ / IPSC / 脊髄 / 受容体 / 個体発生 / CRNA / チャンネル / グリシン |
研究概要 |
パッチクランプ電極を用いて、ラット脊髄スライスの後角ニューロンからwhole-cell記録を行った。近傍の介在ニューロンを細胞外電極により刺激することにより、シナプス応答を記録した。潅流液中に、グルタミン酸受容体アンタゴニストCNQX、GABA受容体アンタゴニストピクワリンを加えた状態で誘発されるシナプス電流は、ストニキニン(0.5μM)でブロックされる、グリシン作動性IPSCと同定された。IPSCは、急峻に立上り、指数関数的に減衰する。IPSC下降相の時定数、及び、10%-90%立ち上り時間を指標として、各日断のラットのIPSCを解析した。胎生20日(20E)のラット脊髄ニューロンのIPSCの下降相時定数は、27.0±9.1ms(13neurons,mean±S.D.)であった。IPSCの下降相は、出生後、日各に短縮し、生後16日(P16)では、5.90±2.2ms(11neurons)となった。一方、立上り時間に関しては、個体発生に件う変化が認められなかった。従って、下降時間の短縮は、シナプス部位と記録部位の距離の変化によるものでなく、下降時間の基盤である、シナプス受容体チャンネルの開口時間の変化を反映すると推定された。これを直接検討する目的で、脊髄ニューロンからアウトサイドアウトパッチ記録を行い、伝達物質グリシンにより誘発される受容体単一チャンネル電流を記録した。グリシン受容体チャンネル電流は、複数の開口状態コンダクタンスを示したが、コンダクタンスレベルに関しては個体発生による変化は明からでなかった。チャンネル開口時間は、3種の時定数の指数函数で近似され、平均時定数は、20Eでは39.9ms(n=6)であった。この値は、個体発生と共に短縮し、P16では2.01ms(n=5)となった。これらの結果から、IPSCの時間経過の、個体発生に伴う短縮は、シナプス後膜グリシン受容体チャンネルの開口時間の短縮によりもたらされると結論される。
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