研究課題/領域番号 |
03454131
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井上 勲 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (80001973)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | グリア細胞 / シュワン細胞 / F-Hスペース / カリウムイオン / ホメオスタシス / 神経系 / カリウムホメオスタシス / イカ巨大神経 / カリウムチャネル / カルシウムイオン / 神経細胞 / パッチクランプ法 |
研究概要 |
高次脳機能維持には神経細胞内外のイオン環境の恒常性が保たれなくてはならない。神経活動はその物理的結果として、神経細胞外に多量のカリウムイオンを浸出させる。この浸出したカリウムイオンを速やかに除去する機能があるはずである。神経興奮機構は下等動物から高等動物まで基本的には同じである事から、このカリウムイオン除去機構は低次から高次の神経系に普遍的に備わった機能であると考えられる。最近我々は、イカ巨大神経標本を用いて、カリウムイオン除去機能は神経系の保持細胞であるグリア(シュワン)細胞の機能である事を明らかにした。脳体積の2/3を占めるグリア細胞は、神経成長、神経細胞への物質補給などこれまで知られている機能のほか、脳内のイオン環境の恒常性維持の中心的役割を演じている。本研究はこの機構をの解明の第一歩を踏み出すために計画された。 イカ巨大神経線維と周囲の保持細胞であるシュワン細胞系を用いた。単一巨大神経線維単離シュワン細胞のそれぞれの標本を研究目的に応じて使用した。 神経とシュワン細胞間の微小間隙カリウムホメオスタシスは少なくとも3種類のカリウムイオン除去過程によって保たれている事が判明した。このうち、速い2つの過程は神経に沿った拡散過程と、シュワン細胞を貫通する微小管内の拡散過程を反映したものと考えられる。このうち、2番目に速い過程は神経細胞の機械的延長や温度の上昇によって不可逆的に阻害される事から、この過程はシュワン細胞内の微小管構造の機械的安定性と強く関わっているものと想像される。3番目の遅い除去過程はシュワン細胞自身のイオン過程に関わっている事が判明した。この過程にはカルシウムイオンの細胞内流入と、それによって活性化されるカリウム透過性の上昇が大きく関わっている。さらに、Na/Kポンプ、コリナージック受容体の関与も示唆された。
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