研究課題/領域番号 |
03454135
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
磯部 正治 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (70211050)
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研究分担者 |
大村 裕 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 客員教授 (30019517)
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 助教授 (60042826)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | FGF / Brain / central nervous system / 線維芽細胞増殖因子 / 蛋白工学 / 長期増強 / バキュロウイルス |
研究概要 |
線維芽細胞や、血管内皮細胞の生長を促進する細胞増殖因子として発見された線維芽細胞増殖因子(FGF)は、単なる細胞増殖因子としての作用以外に、摂食中枢抑制作用や、老化に伴う学習記憶傷害の原因である内側中隔及び前脳基底部のアセチルコリン含有細胞の細胞変性を、防止あるいは、修復することが明かとなり、老化によって生じる記憶学習傷害の予防あるいは治療におけるFGFの有効性が強く示唆されている。しかしFGFには本来細胞増殖因子としての作用があるため記憶学習障害の予防薬として用いるには発癌などの潜在的危険性が示唆され、より中枢に選択的に作用するFGFの開発が求められた。そこで遺伝子工学的ならびに蛋白工学的手法を用いることにより、より中枢に特異的に作用する修飾型FGFの開発を目指してその基礎的研究をおこなった。われわれはまずN端およびC端に相当するaFGFフラグメントを脳室内に投与することによってFGF分子の中枢作用に関係する機能ドメインの検討を行った。その結果C端フラグメントaFGF(114-140)の投与は無効であったが、N端フラグメントaFGF(1-15)の投与は用量依存性に摂食を抑制した。この結果によって、摂食抑制に対するaFGFの活性部位がN端にあることが明かとなった。さらにより長いアミノ酸配列をもつN端フラグメントaFGF(1-20)及びaFGF(1-29)を投与したところ、これらフラグメントは摂食抑制作用を示さなかった。ところがaFGF(1-29)の16番目のシステイン残基をアラニンに変えたペプチドを作成し投与した結果、このペプチドは摂食抑制作用を示し、その強さはaFGF(1-15)の16倍に達した。このことからaFGFの摂食抑制作用対するaFGFの活性部位がN端にあることが明らかになり修飾型FGFの設計に重要な知見を与えた。
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