配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
分泌,特に開口分泌の分子レベルでの機構解明の為に我々はこの数年我々が発見,精製したゲルゾリンファミリー74KDa蛋白質をもとに研究を行ってきたが,それが発展しミオシン・アクチン相互作用が重要な役割を演じていることを明らかにしてきた。74KDaは開口分泌を行う内分泌,神経細胞に存在することを免疫転写法で確かめ,さらにこの蛋白質のCa^<2+>存在下でのアクチンフイラメントの切断作用,フオスフオリピッドの一部の抑制作用を明らかにしてきた。アミノ酸部分配列から,PCRを利用し,cDNAクローニングに成功,この蛋白質の全アミノ酸配列を決定することが出来た。 一方,この研究とは独立にミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の特異的阻害剤としてWortmannin(WM)を再発見し,これを用いて,開口分泌機能のいくつかゞWMで抑制されることをみつけた。さらに非筋ミオシン重鎖に反応する抗体を作製してミオシン分子の局在を確かめた。アクチンフイラメントの存在はローダミン・フアロイジンで検討して確認していった。この方法でWMによる放出抑制をクロマフイン細胞,マスト細胞で確かめ,血小板ではCa^<2+>チャンネルブロック作用があることもみた。 交感神経節初代培養細胞では電気刺戟によるアセチールコリンの放出を細胞内注入したミオシン抗体,MLCK抑制ペプチド,WMが抑え,ミオシンの局在はシナプトフイジン,アクチン局在と一致していた。 PC-12細胞でATP刺戟によるドーパミン放出をWMは抑え,一方,この時細胞内Ca^<2+>上昇が一過性におき,WMは抑えなかった。放出のピークである刺戟後15秒附近で,ミオシン・アクチンの局在は大きく変化した。放出が終了してしまう60秒では,静止時と同じ状態に戻っていた。これは開口分泌へのミオシン・アクチン関与を示している。
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