研究課題/領域番号 |
03454154
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
黒田 洋一郎 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 副参事研究員 (30073084)
|
研究分担者 |
小林 和夫 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 主事研究員 (80100139)
市川 眞澄 (市川 真澄) 東京都神経科学総合研究所, 解剖発生研究部門, 主事研究員 (20124414)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
キーワード | シナプス形成 / 培養ニューロン / アッセイ系 / 細胞内Ca^<2+> / 蛋白質燐酸化 / ガングリオシド / 突起 / 中枢神経系 / タンパク質リン酸化 / エクト・プロテインキナーゼ / 大脳皮質 / カルシュウム / エンドグルコセラミダーゼ / 海馬 / 培養ニュ-ロン / プロテインキナ-ゼ / ATP |
研究概要 |
ラット大脳皮質ニューロン間でシナプス活動を示す同期した自発的なニューロンの発火に伴う細胞内Ca^<2+>レベルの上昇を観察し、機能的シナプス形成をin vitroでモニターできるアッセイ系を開発した。細胞内に作用しないと考えられるプロテインキナーゼ阻害剤をこの系に作用させたところ、シナプス形成は抑制された。神経軸索の成長円錐や神経終末より放出されたATPは、おそらく膜表在ガングリオシドの局在により決まる特定の細胞表面蛋白質を、特異的に燐酸化するエクト・プロテインキナーゼの基質となり、未成熟シナプスの形成もしくは維持・安定化を行なうと考えられる。これは酵素基質の供給が生化学的カスケードの引き金となって情報を知らせる新しいタイプの分子メカニズムである。 さらにスフィンゴ糖脂質のオリゴ糖鎖とセラミド間のグリコシド結合のみを特異的に加水分解するような酵素・エンド型グリコセラミダーゼ(EGCase)が発見されたので、この酵素により、細胞表面のガングリオシドの糖鎖を除去し、シナプス形成に及ぼす影響について調べた。大脳皮質培養細胞系に、EGCaseを添加し、培養7日目にシナプス形成のアッセイを行なった。無添加コントロールに比べ、酵素添加群では培養7日目に出現してくる自発的な細胞内Ca^<2+>濃度変動の振動数低下がみられた。EGCase処理によって、ガングリオシドなど糖脂質由来の糖鎖を除去すると、培養ニューロン間で形成されたシナプスを反映する、ニューロン間で同期した自発的な細胞内Ca^<2+>濃度変動の振動数の低下や停止がみられたことから、細胞膜表面の糖脂質由来の糖鎖がシナプス形成過程に重要な役割を果たしていることが予想される。
|