研究課題/領域番号 |
03454164
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大野 茂男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10142027)
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研究分担者 |
水野 恵子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90221803)
平井 秀一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80228759)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / PKC関連酵素 / ホルボールエステル / 転写活性化 / キナーゼ / ジアシルグリセロール / プロテインキナ-ゼC / ホルボ-ルエステル / キナ-ゼ / 上皮組織 |
研究概要 |
PKC関連遺伝子産物aPKCζ及び今回新たに単離したaKPCλについて、COS細胞を用いたcDNAの発現系により、産物の生化学的な同定を行なった。その結果、両者は他のPKC分子群cPKC、nPKCとは大きく異なりフォルボールエステルを結合せず、またキナーゼ活性もフォルボールエステルやジアシルグリセロールにより活性化されなかった。すなわち、aPKCは構造上の類似性はあるものの、生化学的にはいわゆるPKCではないことが判明した。 次に、このaPKC群の生理的な機能を知るために、細胞レベルでその高発現の効果を検討した結果、これが種々の遺伝子転写シス因子を介した転写活性化応答経路に関わっていることが明かとなった。例えばcPKC、nPKC群の共通の標的であるTRE(TPA response element)はaPKC群の標的でもあった。すなわち、aPKCはcPKC、nPKCとは異なった活性化様式で活性化されるにも関わらず、共通の標的を持つことが示された。 更に、aPKCが生理的にどのような過程で活性化されるのかを上記の系を用いて調べた。その結果、線維芽細胞3Y1ではチロシンキナーゼ型受容体の活性化にともないaPKCが活性化することが明かとなった。 以上の結果は、aPKCがcPKCやmpkcとはまた異なったシグナル経路を構成していることを始めて示したものである。更にこの経路がチロシンキナーゼの下流につながる全く新しいシグナル経路であり、種々の遺伝子の転写活性化に関わっていることも示している。チロシンキナーゼの活性化がどのようにしてaPKCに伝わるか、更にこの経路が細胞の増殖分化にどのように関わっているのかという事が次の大きな課題である。
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