研究課題/領域番号 |
03454173
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部・第一病理, 助教授 (50158937)
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研究分担者 |
今 信一郎 札幌医科大学, 医学部・第一病理, 助手 (10195886)
今村 正克 札幌医科大学, 医学部・第一病理, 助教授 (30045398)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 熱ショック / hsp 70 / T細胞 / 抗原提示 / ペプチド / hsp family / hsc 73 / brefeldin A / 細胞表面 / 熱ショック蛋白 / 70hsp / 70bsc / 形質転換 / 癌遺伝子 / 細胞障害性 / リガンド |
研究概要 |
ストレス蛋白質、熱ショック蛋白質(hsp)は熱等のストレスにより生じた変性蛋白の処理、再生に働き、また、分子シャペロンとして様々な分子の輸送やアセンブリーに関わる重要な蛋白質である。我々は腫瘍抗原を解析する過程で、hspとT細胞との反応を発現した。 我々はまず癌免疫の成立には細胞癌化に伴って発現(増量)する抗原が重要であると考え、ラットWFB非形質転換細胞の表面に陰性、かつWFBのH-ras癌遺伝子形質転換株(W31)に陽性の抗原を単クローン抗体067でとらえた。種々の解析によりこの抗体が実は70kDa heat shock cognate protein(hsc)を認識していることが判明した。宿主キラー細胞との反応をみると、CD4^-CD8^-、T細胞レセプターalphabeta^-のキラーT細胞(DNT)とW31細胞表面に発現したhsc70分子が反応していることが示唆された。つまりhsc70はtransfor-mation-associated antigenであり、しかも腫瘍拒絶抗原として宿主の特定のキラーT細胞(gammadelta型T細胞と推測される)と反応することが示された。この反応はさらにER-Golgiでの蛋白分子の会合阻害剤であるbre-feldin Aにより完全に抑制された。このことは、hsc70が細胞内の何らかのペプチドや蛋白との複合体の型でDNTに提示されていることを示唆した。さらに、W31細胞よりトリフロロ酢酸抽出によりペプチドを得、これを1%FCSで培養したW31(これはhsc70は細胞表面陽性であるがDNTにより障害されない)にパルスしたところDNTは1%FCSで培養したW31細胞に明らかな細胞障害性を示した。つい最近、hsc70とMHC class Iとの高次構造が酷似していることが報告されたが、我々の研究結果はhscの抗原提示分子としての可能性を直接支持する重要な実験事実と思われた。
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