研究課題/領域番号 |
03454184
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中野 昌康 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048958)
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研究分担者 |
斎藤 慎二 自治医科大学, 医学部, 助手 (50195989)
松浦 基博 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20150089)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 細菌感染 / 細菌リポ多糖(LPS) / マクロファージ / 蛋白リン酸化 / プラスチン / レジオネラ / サルモネラ / モノカイン / 腫瘍壊死因子(TNF) / 緑膿菌 / マクロファ-ジ / Lーアルギニン |
研究概要 |
細菌感染で生菌を、あるいは細菌内毒素(LPS)や死菌をマクロファージが貧食摂取した後でマクロファージ(MP)の内部でどのような変化が起こるのかは殆ど明かにされていない。本研究はマウスの腹腔MPを用いて、そのような場合の細胞内部で生じる蛋白リン酸化反応を解析し、それに伴った細胞内のシグナル伝達機構、モノカイン(特にIL-l,TNF-α)産生との関連を追求し、MP生活化の機序を明かにすることを意図した。当初の計画のかなりな部分が遂行達成され、以下のような成果を得た。 1。LPS刺激後速やかにMPのcytosolに現れるリン酸化蛋白pp65の精製に成功し、それはserine kinaseの基質蛋白であり、アミノ酸配列からplastin-familyに属することを明かにした。pp65は腹腔MPのみならず骨髄細胞、肝臓内(kupffer cells)、脾臓細胞などにも見だせるが、胸腺細胞や赤血球には存在しない。LPS不応答C3H/HeJマウスMPにもLPSではリン酸化されないが、同様な蛋白は存在する。pp65のリン酸化にtyrosine kinase inhibitors(IH)はなんら影響を与えないが、protein kinase C(PKC)やcalmodulin(CaM)-dependent kinase IHは強く阻害する。PKC IHはTNF-αやIL-lβのmRNAの発現や生産を阻害するが、CaM IHはIL-lの方のみを阻害した。non-pyrogenic lipid A analoguesをMPに予め作用させると、次にLPSを作用させてもpp65のリン酸化は起こらなくなり、モノカインの産生も阻害される。 2。Leginella pneumophilaやSalmonella typhimuriumの強毒株をマウス腹腔MPに感染させると、死菌やLPSを投与した場合とは別な、それぞれの菌の感染に特有なリン酸化蛋白(これらは感染菌に由来するものではなく、MPに由来する)の出現が認められた。
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