配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
本研究では,新生児保護に重要な役割をもつIgAなどのクラススイッチ制御に,個々のサイトカインが遺伝子レベルでどのように関り合っているかを環状DNAの解析によって明らかにすることを目的とした。 (1)成熟マウス脾細胞の培養系に,LPS抗原刺激下でTGFβを添加することによりIgAへのクラススイッチを誘導させた。スイッチ組換えにより産生される環状DNAを解析し,組換え点を染色体上のスイッチ領域上に配置した。その結果,IgAへのクラススイッチはIgMから数種のIgGを経由して逐次的に行なわれることが判明した。 (2)IgAスイッチ領域Sα周辺領域の完全塩基配列を決定し,組換え領域の構造上の特徴を明らかにしようとした。その結果,根源的な5塩基配列が,10塩基,20塩基,80塩基,800塩基といった高次の反復単位を階層的に形成していた。クラススイッチ組換えは,組換えに先立ってGC含量に富む配列間の数10塩基以上の対合を前提とする非相同組換えであることが示唆された。 (3)TGFβ存在下LPS抗原刺激によりIgAクラススイッチへ方向づけられた成熟マウス脾細胞に,IL2を投与しTGFβによる増殖抑制の解除を試み環状DNAを解析し,増殖抑制下でのクラススイッチ組換えと比較した。その結果,TGFβによって開始されたスイッチ反応がIL-2によるDNA合成誘導で染色体構造が変化したことと関連して,修正されたことが示唆された。
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