研究課題/領域番号 |
03454198
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
小幡 裕一 愛知県がんセンター, 免疫学部, 室長 (30177290)
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研究分担者 |
田口 修 愛知県がんセンター, 病理学・第二部, 主任研究員 (00142167)
高橋 利忠 愛知県がんセンター, 副所長 (00124529)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | マウスTL抗原 / MHCクラスI抗原 / 転写調節因子 / 胸腺T細胞 / 腸上皮細胞 / 細胞傷害性T細胞 / γδT細胞 / 抗原提示 / gammadeltaT細胞リセプター / T細胞 / T細胞レセプター / rel / NF-KB遺伝子群 / 胸腺 |
研究概要 |
マウスTL抗原は、MHCクラスI抗原に属するが、その発現は胸腺T細胞、腸上皮細胞およびTリンパ腫に限定される。本研究の目的は、TL遺伝子の発現機構並びに機能を明らかにするとともに、γδT細胞の分化機構並びに機能を解明することにあり、本研究の遂行により、以下の成果が得られた。 1.TL遺伝子の発現機構:(1)TL遺伝子の組織特異性を持つプロモーターが、転写開始点の5'側の約80塩基の領域に存在することが明らかとなった。(2)このプロモーターに結合する蛋白因子群が、正常胸腺細胞の核抽出物中に存在することが、確認された。 2.胸腺に発現するTL抗原の役割:胸腺にTL抗原を発現する遺伝子導入マウスと、TL抗原を胸腺に発現しないC3Hマウスから、TL抗原を認識するCTLを誘導し、クローンを樹立した。遺伝子導入マウスから樹立したCTLクローンの25%はTCRγδであったが、C3Hからのクローンは100%がTCRαβであった。したがって、胸腺でのTL抗原の発現が、γδT細胞の選択に関与していることが示された。 3.γδT細胞の機能:上記2に述べたように、TL抗原を認識し、細胞傷害活性を持つ複数株のγδT細胞クローンを樹立することに成功した。CTLクローンは、H-2分子による抗原提示を必要とせず、TCRがTLを直接認識することから、TL分子が抗原提示分子として機能することが示唆された。 4.腸上皮細胞におけるTL抗原の発現:胸腺におけるTL抗原の発現には系統差があるのに対し、検索したすべてのマウスの腸上皮細胞にTL抗原の発現が認められる。TL抗原は、絨毛に存在する成熟した上皮細胞の細胞表面と細胞質に分布しており、近接して存在するT細胞へ抗原提示を行っている可能性が考えられた。
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