研究課題/領域番号 |
03454199
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小島 豐 (小島 豊) 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (50135555)
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研究分担者 |
藏崎 正明 (蔵崎 正明) 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
新岡 正 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20123953)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 遺伝性銅代謝異常 / 銅誘導低分子量蛋白質 / メタロチオネイン / メンケス病 / マキューマウス / アミノ酸組成 / 肝臓 / 腎臓 / 遺伝性重金属代謝異常症 / ウィルソン病 / メンキース病 / ウィルソン病モデル動物 / LECラット / 銅のみと結合する蛋白質 / メンキ-ス病 |
研究概要 |
必須微量元素である銅は生体内で過剰も不足もあってはならない微妙なバランスを保ち、恒常性の維持が必要とされている。これまでこの恒常性の維持を重金属結合低分子量蛋白質メタロチオネインが果たしていると考えられていた。本研究において、様々な濃度の銅を投与したラット肝臓に誘導生合成される銅結合低分子量蛋白質の解析を行なったところ、新しい銅結合低分子量蛋白質を発見し、この蛋白質の生化学的性質を明らかにした。 まず、従来困難とされてた銅メタロチオネインの精製について、疎水性クロマトグラフィーを導入した新しい簡便で有効な方法を確立することに成功した。その確立した精製法を用いて銅投与ラットより銅結合蛋白質を分離したところ、銅結合メタロチオネインとともに新銅結合低分子量蛋白質が誘導生合成されていることを発見した。この新銅結合低分子量蛋白質はメタロチオネインに比ベシステイン残基の割合が極めて少なく、1分子あたりに結合する銅は2分子であると金属結合解析の結果から推定された。この蛋白質の発見により、これまで、銅により様々なメタロチオネイン様蛋白質が誘導されるという誤った議論に終止符を打つことができた。さらにこの新蛋白質がメタロチオネインと共に銅代謝に関わっているか否かを先天性銅体謝異常症メンケス病モデルマウスを用いて調べた。その結果、腎臓中に蓄積している銅がそこで誘導されたメタロチオネインのみと結合し皮質に局在していたことおよぴ、この新蛋白質が腎臓中に殆ど存在しないこと等が明らかになった。この結果からメンケス病の発現機序に今回発見した新銅結合低分子量蛋白質が関わっている可能性があることが考えられた。
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