研究課題/領域番号 |
03454201
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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研究分担者 |
柳沢 裕之 東京大学, 医学部(医), 助手 (10200536)
長橋 捷 東京大学, 医学部(医), 助手 (90009994)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | アミノ-γ-カルボリン / 血小板 / リンパ球 / 血管平滑筋 / 発癌 / アミノー∂ーカルボリン |
研究概要 |
過去8年間にわたり,変異原性・発癌性複素環状アミン類に関する研究を行い、特にそれに属するアミノ-γ-カルボリン類(Trp-P-1・Trp-P-2)について社会医学的な見地から詳細な検討を行ってきた。その過程において、これらの物質はタバコ煙やディーゼルエンジンの排気ガス中に比較的高濃度に検出されること、食品とともに大気中や雨水中にも検出され、環境中に広く分布する汚染物質であること、人体中に吸収され、ヒト血漿、赤血球、白内障レンズなどに存在すること、また尿及び胆汁中にも排泄され、総胆管閉塞患者や腎不全患者で体内に蓄積されること、さらにモノアミンオキシダーゼの阻害、血小板の凝集阻害作用があることを明らかにしてきた。この延長上に本研究では、細胞内情報伝達系に焦点をあてアミノ-γ-カルボリン類の新たなる効果を検討した。アミノ-γ-カルボリン類は、(1)血管平滑筋細胞のCa貯蔵部位からCaを動員し、細胞内遊離Ca^〓濃度を上昇させ、カルモジュリン・ミオシン軽鎖キナーゼの活性化と介して血管平滑筋細胞を収縮・(2)ミクロオキシゲナーゼ活性を抑制することによりヒト血小板のTxB_2産生を抑制・(3)PHAによるヒトリンパ球芽球化反応抑制をもたらした。これらの実験結果は、アミノ-γ-カルボリン類の細胞毒性作用あるいは細胞内情報伝達系に対する特異的作用を示唆する。しかしながら、環境中の発癌物質アミノ-γ-カルボリン類がどの程度ヒト発癌や細胞毒性に関連するのか評価することは今後の課題である。
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