研究課題/領域番号 |
03454204
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒記 俊一 東京大学, 医学部(医), 教授 (00111493)
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研究分担者 |
谷川 武 東京大学, 医学部(医), 助手 (80227214)
佐田 文宏 東京大学, 医学部(医), 助手 (90187154)
川上 憲人 岐阜大学, 医学部(医), 助教授 (90177650)
村田 勝敬 東京大学, 医学部(医), 助手 (80157776)
横山 和仁 東京大学, 医学部(医), 助教授 (00158370)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 産業保健 / 地域保健 / 疫学的方法 / 神経中毒 / 精神障害 / 行動障害 / 神経生理学的方法 / 質問紙調査法 |
研究概要 |
今回の研究では、各種有害化学物質および物理学的環境因子に暴露する作業者集団と中毒・職業病・成人病患者で、末梢神経(神経伝導速度、「神経伝導速度分布」)、中枢および脳神経(事象関連電位、短潜時体性感覚誘発電位、聴覚誘発電位、視覚誘発電位、平衡機能検査)、自律神経(心電図R-R間隔変動)、精神・行動(神経行動テスト)、感情・ストレス(質問紙法、誘発電位誘発電位)の各種の神経・精神・行動機能の測定を行ない、以下の成果を得た。 1)鉛、混合有機溶剤、スチレン、局所振動等に暴露する明らかな神経徴候のない作業者集団で、末梢神経の伝導の障害を見出し、さらにこの障害は伝導が速い神経線維の方が遅い神経線維より強く起こることを明らかにした。同様の障害を、糖尿病およびアルコール依存症患者でも観察した。 2)同じくこれらの作業者および患者で、事象関連電位または各種誘発電位の潜時の遅延を見出した。また、自律神経機能の低下を明らかにした。 3)スチレンに暴露する作業者で神経行動テスト得点の低下を見出した。 4)混合有機溶剤等に暴露する作業者集団で、平衡機能の障害を明らかにした。 5)職場での技能労働者(男子)の精神障害の発生に影響を与える主要な社会心理的因子は、(1)仕事への不満、不適合と(2)人間関係の障害であり、仕事量の影響は少ないことを明らかにした。さらに、コンピューター技術者の労働ストレス、精神症状および性格傾向に影響を与える主要な疫学因子は年齢であり、コンピューター作業自体の影響は少ないことを観察した。 6)ストレスチェックリスト(SCL-86)、感情プロフィール検査(POMS)などの質問紙法の日本語版の標準化を行ない、正常値および信頼性・妥当性を明らかにした。 7)鉛および2.5ヘキサンジオン中毒動物で、末梢神経軸索内輸送および脊髄エネルギー代謝の障害を明らかにした。 8)脳血管障害患者の三次予防のための地域ケアシステムに関する疫学調査により、(1)地域住民の脳血管障害予防事業への参加促進、(2)効果的な事業内容、および(3)他の事業との連携等について、ガイドラインを明らかにした。
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