研究課題/領域番号 |
03454208
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
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研究分担者 |
小林 春男 山口大学, 医学部, 助手 (00127763)
荻野 景規 山口大学, 医学部, 助教授 (70204104)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | クロロホルム / トリクロロエチレン / 四塩化炭素 / あさり / ミネラルウォーター / VHCs / トリハロメタン / メネラルウオーター / テトラクロロエチレン / ハロゲン化炭化水素(VHCs) / テトラクロロエチレン(PCE) / ブロモホルム(CHBr_3) / 四塩化炭素(ccl_4) / 1-1-1-TCE(MC) / トリクロロエチレン(TCE) / クロロホルム(CHcl_3) / ジクロロブロモメタン(CHcl_2Br) / 水道水 / ミネラルウォ-タ- |
研究概要 |
現在、水道水や地下水等の汚染で社会的問題となっているトリハロメタンおよびトリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、テトラクロロエチレン等々の有機塩素系溶剤は洗浄、樹脂溶解、抽出等々の目的で広範囲に使用されている。また、毒性としては肝臓障害、腎臓障害、心臓障害、及び発癌性が広く知られている。最近は環境汚染物としてフロン等とともに、西暦2000年までに使用禁止物質として、世界的に規制されつつある。しかし、これらの物質の生体内吸収、生体内代謝に関しては解明されていない部分が非常に多い。そこで私たちは、これらの有機塩素系溶剤の中で最も使用量が多く、最も普遍的に用いられているトリクロロエチレンに着目してこの溶剤の生体内動態及び代謝について、麻酔犬を使用して実験的に詳細に検討した。その結果次のような結論を得た。 1.肺から体内に吸収されたTRIの内、約50〜60%のTRIが未変化体として呼気から排泄され、その残りのTRIは、代謝されて尿及び糞中に排泄されるものと推測できた。 2.Toxicokineticsを用いて、TRIの吸収、排泄を観察すると、吸入暴露1時間後で体内吸収量の約18%が既に代謝されていることが解った。 3.腸管からのTRIの吸収割合は、非常に高率であり、飲料水中の低濃度TRIは、ほとんどが吸収されるものと推測できた。 4.肝臓以外で臓器でのTRIの代謝割合を観察すると、体内取り込み量の約25%が肝臓以外で代謝されることが解った。また抱水クロラール(CH)から、トリククロロ酢酸(TCA)への代謝は肝臓以外でも行われることと、CHから遊離型トリロロエタノール(F-TCE)への代謝は、肝臓以外の臓器でほとんど行われる可能性を示した。 5.胆嚢及び膀胱に注入したTRI及びその代謝産物の動態を観察すると、これらの臓器での代謝は、両臓器ともF-TCEからConj-TCEへの代謝は非常に多く行われたが、その他の代謝は、ごく微量であった。 6.TRIの代謝産物の内、Conj-TCEは胆嚢肝循環を行わず、腸管から再吸収されたConj-TCEは、すぐ静脈系に移行し、腎から尿中へ排泄された。しかし、F-TCE TCAは胆嚢肺循環を行い、体内にある程度蓄積するものと考えられた。
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