研究課題/領域番号 |
03454224
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
戸田 剛太郎 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 教授 (40090500)
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研究分担者 |
相沢 良夫 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (90147273)
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (70138767)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 肝類洞壁内皮細胞 / 自己免疫性肝炎 / 内皮細胞抗体 / ヘパリン / 慢性肝炎 / 内皮細胞障害 / 類洞壁内皮細胞 / 血管内皮細胞 / スルファチド / ヘパラン硫酸 / 類洞壁内皮細胞抗体 |
研究概要 |
ラット肝より、類洞壁内皮細胞(以下、内皮細胞)をコラゲナーゼ法、密度勾配遠沈法により分離し、健常者、自己免疫性肝炎(AIH)患者、ウイルス性慢性肝炎患者の血清との反応性を比較した。反応性は内皮細胞表面に結合した1gGをペロキシダーゼ標識プロテインAを用いて測定することにより行った。AIH患者15例中14例において、正常者の平均+3SDを超えるIgG結合がみられた。ウイルス性慢性肝炎患者においては正常者の平均+3SDを超える例はなかった。AIH血清をDTT/IAA処理することによっても、内皮細胞結合1gGは減少しなかった。また、AIH患者血清IgGのF(ab')2分画についても内皮細胞結合を検討したが、正常者血清IgGF(ab')2と比較して高い結合性を示した。すなわち、AIH患者血清中にはIgGクラスの内皮細胞抗体が存在することが明らかとなった。AIH患者血清IgGより、ヘパリンセファローズカラムクロマトグラフィーにより分離したヘパリン結合IgGは非結合分画より高い反応性を示し、内皮細胞抗体はヘパリン結合性であることが明らかとなった。内皮細胞結合IgGは過剰量のヘパリン存在下で減少し、また、内皮細胞をヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ処理することによっても、内皮細胞結合IgGは減少した。これらの事実より、内皮細胞抗体はヘパリンを標的とする抗体であると考えられた。AIH患者において、コルチコステロイド投与によるALT,ASTの低下とともに、内皮細胞抗体活性は低下した。また、AIH患者血清IgGの存在下では内皮細胞生着率の低下がみられ、本抗体はAIHにおける肝細胞障害の発現に関与していると考えられた。
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