研究課題/領域番号 |
03454250
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
麻野井 英次 (1992-1993) 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (00150128)
篠山 重威 (1991) 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70109007)
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研究分担者 |
三羽 邦久 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70166221)
木原 康樹 京都大学, 附属病院, 助手 (40214853)
麻野井 英次 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (00150128)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 頻拍誘発性心不全 / 左室収縮・弛緩特性 / 強心薬 / 陽性階段現象 / 陰性階段現象 / 不全心筋 / 発性張力 / Ca^<2+>トランジェント / 頻脈誘発性心不全 / Ca2+トランジェント / 発生張力 / 心収縮性 / Ca^<2+>トランジエント / うっ血性心不全 / 左室弛緩特性 / 心筋細胞 / カルシウムイオン / エクオリン / 活動電位 / 雑種成犬 |
研究概要 |
1.頻拍誘発性心不全において、細胞内Ca^<2+>動態に対する作用が異なる強心薬の左室収縮・弛緩能に及ぼす効果と、force-frequency responseを検討した。不全心の収縮反応は、β-受容体刺激薬では正常心の56%、adenylate cvclase活性薬では38%、Ca^<2+>感受性増強薬では14%に一様に低下していたが、弛緩能は正常心と同程度に改善した。収縮反応と弛緩反応の乖離要因として、不全心では収縮期後負荷時相が変化しやすく、弛緩能の後負荷依存性が増大したことが考えられる。不全心では、心拍数を60拍/分増加したときの収縮性の増大が、正常心の約30%と陽性階段現象が著しく減弱しており、また弛緩能の改善も認められなかった。 2.不全心筋の最大張力到達時間は正常心に比し40%、弛緩速度は25%延長していた。さらに頻回刺激による発生張力の変化を検討した結果でも、頻脈時の最大張力の増加は認められず、逆に、刺激頻度が増すにしたがって最大張力は減少し、拡張期張力が増加した。正常心筋では、エクオリンによる細胞内Ca^<2+>トランジエントは単一成分であったが、不全心筋では、スパイクに続くドーム状の第二相のトランジェントが観察され、同時に活動電位持続時間も著しく延長していた。 3.慢性高頻拍刺激による心不全モデルの収縮・弛緩障害の機序は、以下のごとく要約される。(1)収縮性の低下は、収縮機構に直接関係する収縮蛋白の機能異常や細胞外マトリックスの変化など、Ca^<2+>供給能以外の要因が関与する可能性がある。(2)左室弛緩能の障害には、細胞内Ca^<2+>サイクルの遅延と後負荷の増加の両者が関与している。(3)細胞内Ca^<2+>動態の異常は、特に頻脈時の収縮・弛緩障害の要因として重要と考えられる。以上より、頻拍誘発性心不全モデルは、末期心不全患者の丸ごとの心臓や、単位心筋で示された収縮・弛緩障害およびCa^<2+>動態異常に類似した変化を再現できるモデルであると結論する。
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