研究課題/領域番号 |
03454257
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
泰江 弘文 熊本大学, 医学部・附属病院, 教授 (40174502)
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研究分担者 |
松山 公三郎 熊本大学, 保健管理センター, 助手 (20229587)
藤井 裕己 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40199295)
久木山 清貴 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00225129)
小川 久雄 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (50177135)
奥村 謙 熊本大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20185549)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 冠攣縮 / 狭心症 / 冠攣縮硬化 / アセチルコリン / Mg / フィブリノペプチドA / エンドセリン / ヒスタミン / 冠循環 / サブスタンスP / tーPA / PAI |
研究概要 |
冠動脈の攣縮(冠攣縮)は狭心症や急性心筋梗塞ならびに突然死などの虚血性心疾患の発生上重要な役割を果たしていることが明らかにされつつあり、しかも我が国においては比較的多い疾患である。 本研究の第一の目的である冠攣縮と冠動脈硬化との関連については次のことが明らかになった。内皮依在性弛緩物質であるアセチルコリンは、冠動脈が正常な若年者(29歳以下)群では心筋表面を走行する冠動脈を拡張させたが、30歳以上の中高年者群では逆に収縮させた。内皮非依在性弛緩物質であるニトログリセリンはいずれの群においても冠動脈を拡張させた。従って中高年者の大部分では冠動脈の内皮傷害つまり動脈硬化が存在すると考えられた。このことから冠攣縮は冠動脈の内皮傷害、つまり動脈硬化を基盤として発生すると考えられる。一方、冠血流量は若年者群、中高年者群共にアセチルコリンにより増加したので、冠抵抗血管は中高年者においても内皮依在性の弛緩反応が保たれていると考えられた。また、本研究にて冠攣縮の患者の45%に体内Mgの欠乏があることを見出し、Mgと冠攣縮との関連を明らかにした。 本研究の第二の目的は冠攣縮と急性心筋梗塞発症の関連については、冠攣縮がトロンビンを活性化させフィブリンを形成し、これが冠動脈血栓、更には急性心筋梗塞にまで至る可能性を血漿フィブリノペプチドAを測定することにより明らかにした。 本研究の第三の目的である、強力な血管収縮物質エンドセリンと冠攣縮の関連については、血中エンドセリンは冠攣縮発作前ではなく、発作後に上昇することが明らかとなり、エンドセリンは冠攣縮による心筋虚血の結果、冠静脈洞血中に放出されると結論された。
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