研究課題/領域番号 |
03454259
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
二宮 石雄 国立循環器病センター, 部長 (80033976)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30163801)
藤原 巍 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90090224)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 心筋虚血 / 心筋内冠動脈血流 / slosh現象 / 冠動脈狭窄 / 交感神経系 / 血管拡張剤 / 冠微小血管 / 心筋潅流 / 冠動脈血流 / 交感神経 / Slosh / 冠拡張剤 / α交感神経 |
研究概要 |
心筋虚血が心内膜側に生じやすいことはよく知られている。その理由として内膜側・外膜側間の収縮期応力の差、血管外圧の差、血管密度の差、ヘマトクリットの差など種々の要因が考えられているが、明確な見解が得られていない。研究代表者らは拡張期に心内膜側に流入した血液はその一部が収縮期に心筋収縮による圧迫のため心外膜側へ送り出されており、この返送血液量が貫壁性血流分布の重要な規定因子であることを発見した。心筋収縮により生じる血液の心内膜側より心外膜側への移動についてはワシントン大学のFeigl教授もその存在を予測し“slosh現象"と名付け、病態生理学的意義が高いことを唱えている。 本研究の目的は、血管拡張物質や交感神経系が心筋収縮による収縮期の心内膜側より心外膜側への血液の移動(slosh)にどのように関与し、冠動脈狭窄時にその関与の様式がどのように変化するかを明らかにし、それぞれの要因が貫壁性血流分布の均一化に貢献しうるか(antislosh hypothesis)否かを明らかにすることである。麻酔開胸犬において中隔枝血流を20MHz超音波血流計で計測し、順流に対する逆流の大きさでsloshを評価した。冠動脈の狭窄の増大およびアデノシンまたはニトログリセリンの冠動脈内投与はsloshを増大させた。一方、α交感神経興奮がantislosh効果を有すること、それは心拍数の大きいほど顕著であることが明らかになった。最後に、ニードルプローブCCD生体顕微鏡で心内膜側冠微小血管を観察し、細動脈の直径が収縮期に約20%減少することを見い出した。これがslosh現象を発生させると考えられる。
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