研究課題/領域番号 |
03454263
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邊 一功 名古屋大学, 医学部, 教授 (80135368)
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研究分担者 |
柘植 郁哉 名古屋大学, 医学部, 助手 (00231431)
三村 俊二 名古屋大学, 医学部, 助手 (30229794)
根来 民子 (根米 民子) 名古屋大学, 医学部, 助手 (40172754)
森島 恒雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (90157892)
前原 光夫 国立療養所中部病院, 医長
麻生 幸三郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (20231920)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ポジトロンCT / 乳児てんかん性脳症 / PCR法 / 単純ヘルペス脳炎 / 低酸素性虚血性脳症 / thromboxane A2 / thromboxane A_2 / 急性脳夷 / 急性脳症 / 大気圧化学イオン化クロマトグロフィー / positron emission tomoqraphy / Wernicke脳症 / 新生児低酸素性虚血性脳症 / 二次性脳炎 / 合成トロンボキサンA_2 / 高グリシン血症 / 予後調査 |
研究概要 |
最終年度として以下の結果を得た。 (1)乳児てんかん性脳症の1つであるWest症候群において、ポジトロンCTを前方視的、経時的に行ない、同症候群においては高頻度に皮質機能異常がみられ、この異常が年齢や臨床症状の変動とともに変化すること、又、最終的には多くの症例で正常化することを確認した。 (2)単純ヘルペス脳炎の遺伝子診断では、PCR法の有用性はすでに報告したが、髄液中のウイルスDNAの存在様式の検討では、新生児期の本症では主にウイルス粒子として多量に存在し、一方、年長児では、ウイルスDNAは少量主にフラグメントとして存在することが判明した。以上の結果は、病巣の拡大や、感染経路と関連しており、また従来の新生児の本症の髄液からはウイルスがともに分離され、年長児からの分離されないとする結果と一致する。 (3)低酸素性虚血性脳症では、今年度は、胎齢20日のIUGRラットの脳について、糖エネルギー代謝産物の測定を生化学的に行った。ピルビン酸、乳酸、グリコーゲン量はIUGRラットの脳では対照群と比較して有意に低下していたが、グルコース量は有意な増加を示した。エネルギー代謝は維持されていたがエネルギー利用能を意味するATP/ADP比は、IUGR脳で低下していた。これらの結果から、胎児の慢性の低酸素,低栄養状態において1)glycogenolysisやピルビン酸、乳酸からの糖新生が代償的に起こっていること。2)その際に脳代謝が嫌気的解糖へ向かうことへの適応としてむしろグルコース濃度が上昇すること。3)これらの変化は、いわゆるbrain sparing effectの機構の一部と考えられること。4)しかし、脳内の高エネルギーリン酸化合物の動態,および脳,肝組織中の糖代謝基質量の減少は、更に急性の虚血負荷がかかった場合に容易に糖エネルギー代謝の破綻をきたしうることを明らかにした。
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