研究課題/領域番号 |
03454278
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲田 哲雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50114038)
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研究分担者 |
岩川 真由美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30231723)
立崎 英夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20227101)
多田 順一郎 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (40163464)
早川 吉則 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90101740)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 陽子線線質 / LET / 混在中性子線 / ブラッグ・ピーク / RBE / 線量測定 / 多細胞スフェロイド / 細胞不活性化 / 陽子線照射野形成 / エネルギー微調性 / 減連形中性子線量計 / がんの陽子線治療 / 陽子線の線質 / 生物効果比 / 肺コロニ-形成法 |
研究概要 |
陽子線によるがん治療は良好な成績を収めており、我国では筑波大学を中心として、従来の放射線(X線、ガンマ線)では難治であったがんにもみるべき成果を挙げている。これらの治療では病巣に限局して70-80Gyの高線量域を集中させ、周辺の正常組織の線量を低減させることが可能である。この陽子線の線量が従来の放射線のそれと生物学的にどのように異なるかを表す指標が生物学的効果比(Relative Biological Effectiveness=RBE)である。これまでの多数の報告によれば陽子線のRBEは0.8から1.5の間に分布している。この差が陽子線の線質による本質的なものか否かを検討した。 陽子線の線質は、そのエネルギー分布より線エネルギー付与(LinearEnergy Transfer=LET)を算定して評価した。その結果は初期エネルギーやブラッグピーク拡大幅およびその照射部位によりLETが変化するが、数10MeV陽子線や、ピーク終端を用いる場合を除けば、その変化は小さくRBEへの影響も小さい。なお、散乱線や二次中性子線を大量に発生させる照射法ではこれらによるLETの増加がある。 生物効果の判定においては、基準放射線として^<60>Coガンマ線か3-4MVX線を使用し、低酸素や著しく放射線抵抗性の材料を除いて、測定精度の高い指標を用いる必要がある。またマウスなどの照射における線量測定に注意を要する。 これらの各項の条件を統一すれば陽子線のRBEの信頼性が増し、これらの条件をほぼ充たす報告に限って括めると、これまでの治療用陽子線のRBEは1.0-1.2の範囲にほぼ集約されると考えられる。
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