研究分担者 |
高橋 弘昌 北海道大学, 医学部, 助手 (30226881)
佐々木 文章 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (40178661)
宇根 良衛 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (60176716)
武市 紀年 北海道大学, 医学部, 教授 (40002133)
内野 純一 北海道大学, 医学部, 教授 (40000989)
川向 裕司 北海道大学, 医学部附属病院, 医員
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研究概要 |
本研究は肝再生(関連)因子および既知の増殖因子の肝癌および担癌肝における核DNA解析,癌(関連)遺伝子の発理性などから肝癌および担癌肝の細胞増殖動態ならびに増殖制御機構を分子生物学的に明らかにするものである。これらの研究は大きく3つの計画に沿って遂行された。 1.増殖因子の作用からみた分子生物学的特性の解析:(1)ラットの部分肝切除後24所間の血清を液体クロマトグラフィで溶出した分画のうちラット初代培養肝細胞と肝癌細胞KDH-8の相方の増殖を促進したのはFr,30のみであった。(2)肝炎・肝癌を自然発症するLECラットの培養肝細胞を用い,DNA合成能を指標として増殖因子の感受性を検討すると,EGFに対する感受性は対照のLEAラッに比し,いずれの濃度においても低下していたが,12週令と32週令では著しく低下していた。またTGF-αに対する感受性も同様であった。 2.核DNA解析および増殖因子受容体の解析:(1)LECラットでは肝炎の進行と共に多倍体化が進み,慢性期以降で8倍体の上昇がみられた。(2)ヒト肝癌では非癌部に比してMet蚕白の発現量が多く,しかも低分化型では,より多い傾向がみられ,またラット肝部分切除後12時間はprecursorのdown requlationがみられた。 3.臨床応用:(1)障害肝に伴って出現する血清分画の診断的意義。(2)肝前除術前後におけるヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の変動。(3)核DNA分析による肝細胞癌切除後の再発の予知。(4)小児肝癌の予後因子としての核DNA分析の意義。などを検討し,本研究の臨床的意義が明らかになった。
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