研究課題/領域番号 |
03454312
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 清昭 東北大学, 医学部, 助教授 (20124555)
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研究分担者 |
鈴木 正徳 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70206530)
松原 修二 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20165856)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 肝細胞障害 / エンドトキシン / PCOOH / Kupffer細胞 / 好中球 / 内皮細胞 / scavenger / 混合培養 / ラット / Kuptter細胞 |
研究概要 |
ラットの盲腸を結紮・穿刺することにより腹膜炎モデルを作成した。腹膜炎導入24時間後に血中エンドトキシンは0.21から21pg/mlと漸増し、肝energy chargeは0.86から0.73と低下した。肝phoshpatidylcholine hydroperoxide(PCOOH)は740から2.628pmol/ng肝と著明に増加した。この間肝組織血流量に変化はみられず、エンドトキシンによる肝エネルギー代謝障害に活性酸素による膜脂算過酸化の亢進が重要と考えられた。またSOD9万単位とcatalase5万単位/kgを腹膜炎導入前1回、後7回投与した場合、血中エンドトキシンに差はみられないものの、肝energy chargeは0.79と低下は抑制された。また肝PCOOHも884pmol/mg肝と増加は著明に抑制され、ラットの生存率も改善された。以上のinvivo実験からエンドトキシン血症時の肝障害発症に活性酸素が大きく関与していることが明らかにされた。in vitroでの培養肝細胞5×10^5にLPSを添加した場合、肝細胞PCOOHは300〜500pmolと変化はみられなかったが、2×10^6のKupffer細胞との混合培養の場合、LPS25μg/ml添加にてPCOOHは3.547±377pmol/10^7細胞と増加がみられた。以上のことより、LPS自体には肝細胞膜障害は認められなかったのに対し、LPSにより賦活されたKupffer細胞が肝細胞膜の脂質過酸化反応の亢進に関与するとの成績をえた。また、invivo腹膜炎モデルの肝におけるchemiluminescence値が経時的に増加することから、エンドトキシン血症時には肝類洞内に好中球がtrapされることが明らかとなった。そこで、エンドトキシン肝障害には好中球、およびその遊走、接着に関与する類洞内皮細胞が強く関連していることも考え、それら細胞との間でin vitro混合培養系を確立し現在検討中である。
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