研究課題/領域番号 |
03454339
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
片山 治 近畿大学, 医学部, 講師 (90177402)
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研究分担者 |
井上 知 近畿大学, 医学部, 助手 (80232536)
北山 仁士 近畿大学, 医学部, 講師 (50224978)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 未熟心筋 / 虚血 / 再潅流 / 心筋保護 / NMR / 家免 / ATP / 家兎 / 心筋エネルギ-代謝 / NMR法 |
研究概要 |
未熟心筋に対する心筋保護は未だに議論が多い分野である、一部研究者はその虚血に対する耐性は成熟心筋よりも優れているため、必ずしも心筋保護を必要としないとの報告がみられる。さらに現在行われている心筋保護法はむしろ有害であるとの報告もみられ、臨床での使用も様々である。今回の研究により、いくつかの注目すべき結論を得ることができた。成熟心筋と未熟心筋における心筋保護液に対する反応性は明らかに異なり、成熟心筋ではcrystalloid cardioplegiaであってもblood cardioplegiaであってもその投与法による違いはほとんどなく、投与回数が増えるとその心筋保護効果は増すことが分かった。これに対し、未熟心筋では crystalloid cardioplegiaを使用した場合投与回数が増えるにしたがってむしろ虚血後のATPの回復が悪くなった。しかしblood cardioplegiaを使用した場合は成熟心筋同様投与回数が多いほど良好なATPの回復を認め、従来から報告されている未熟心筋に対する心筋保護での結果と異なった。すなわち、投与する心筋保護液によりその投与法を未熟心筋では考慮しなければ行けないことが判明した。次ぎに開心術における心筋保護液のカリウム濃度について検討を行った。この結果投与するカリウム濃度は温度により大きく影響を受けることが判明した。すなわち20℃前後の比較的高い温度では高濃度液はむしろ不利益に作用し、4℃前後の低温ではむしろ高濃度液の方が有益であることが分った。さらに低濃度液では頻回投与を必要とすることが分った。また未熟心筋では成熟心筋に比べ、より低濃度のカリウムで心筋保護作用を得ることができることが判明した。SOD投与の検討ではSODは全ての程度の虚血再潅流において効果を示すものではなく、ある条件下においてのみ有効であることが判明した。
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