研究課題/領域番号 |
03454343
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松谷 雅生 東京大学, 医学部(病), 助教授 (90010454)
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研究分担者 |
高倉 公朋 東京女子医科大学, 教授 (90109984)
長島 正 東京大学, 医学部(病), 助手 (70217991)
百瀬 敏光 東京大学, 医学部(病), 助手 (20219992)
河本 俊介 東京大学, 医学部(病), 助手 (00231275)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 悪性グリオーマ / 放射線治療 / 術中照射 / 神経膠腫 / 予後規成因子 / グリオーマ / グリオブラストーマ / 脳腫瘍 / BUdR染色 |
研究概要 |
悪性gliomaが画像(CT,MRI)にて描出される腫瘍像の周囲にどの程度まで細胞浸潤が及んでいるかは、CTでの腫瘍周囲低吸収域およびMRIでのT_2強調像での高信号域に観察される。Glioblastomaでは浸潤領域は辺縁より2-3cmにおよぶとされる。従って放射線治療を行う際には、辺縁3cm程度までを照射野としなければならないが、この浸潤域は正常組織が主体であり、最大照射線量は正常脳組織の耐容線量の60Gyである。しかし60Gyまで照射したglioblastomaの照射後の組織学的検索では、照射効果の主体は虚血性壊死(腫瘍血管の閉塞)であり、細胞に対する直接致死効果に乏しい(放射線抵抗性)。 悪性グリオーマ初期治療としての外部照射後、salvage surgeryを行った症例の組織標本より、照射線量と照射終了時から再手術までの期間との相関において、組織学的照射効果とS期細胞数の変化をBUdR染色にて検討した。その結果、悪性グリオーマを制御するには、少なくとも70Gy以上の線量が必要と考えられた。 本腫瘍の放射線感受性(抵抗性)についての以上の知見より、70Gy以上の照射を可能とする局所高線量照射法である術中照射(腫瘍部線量は100〜120Gy)の治療成績は、通常の外部照射群より有意に良好な結果であり、上記のBUdR染色の結果が裏ずけられた。しかし1回20Gyの術中照射においても再発症例のほとんど(96%)が局所に由来する再発であったことである。局所制御が行なえなかったことは、設定したtreatment volumeより、実際の腫瘍浸潤域(辺縁より2cm)のほうが広いためである。局所高線量照射は有効ではあるが、周囲の細胞浸潤域には無力であることもあきらかとなった。今後の問題の1つは細胞浸潤域にいかににして安全に70Gy以上の照射を行うかにある。化学療法にも多くを期待し得ない以上、斬新なideaによるbreak throughが必要である。
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