研究課題/領域番号 |
03454345
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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研究分担者 |
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
黒岩 俊彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80129832)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | オプティカルイメージンク / 脳梗塞 / 大脳皮質聴覚領 / 機能的構造 / 神経活動 / 周波数局在 / 電圧感受性色素 / 大脳皮質 / 光学的計測 / 多チャンネル同時計測 / 病理組織 |
研究概要 |
音刺激に対するモルモットおよびラットの大脳皮質聴覚領の二次元空間的な神経活動を12x12チャンネルのフォトダイオード・アレイと電圧感受性色素を用いて光学的に測定し、音刺激後、時々刻々と変化する活動の空間パターンを画像化することに成功した。哺乳類の聴覚領には周波数局在性のあるサブエリアが複数存在する。そこでの周波数表示は時間に依存し過渡的であった。一定の周波数の音によって誘発された強い神経活動のスポットは最初に一次野の腹側部に現れた。そのスポットは時間の経過とともに等周波数帯に沿って背側方向に伝搬した。また音の強さが皮質面上に表示される座標系は水平で周波数軸に直交することがわかった。音のパラメータ(周波数、強さ)が脳において二次元空間的に場所に変換され、神経の活動パターンが時間とともに変化することにより、音の時間情報も場所に変換されることがわかった。 この光学的方法を脳虚血時の大脳皮質聴覚領の神経活動の観察に応用した。モルモットの場合、虚血によって光応答の振幅は逆に増大する場合もあった。しかしラットの場合、虚血後1分で光応答は完全に消失した。30分後、血流を再開すると応答は徐々に回復したが、虚血前のレベルには1時間後でも戻らなかった。また虚血前に観察された皮質の機能的構造(周波数局在)も再び観察できたが、部分的に回復しない所があり、場所によりvulnerabilityに差があることが示唆された。また光応答の成分によって回復に差があり、遅い成分は回復し難いことがわかった。これは聴性誘発電位によるわれわれの観察結果と一致する。虚血によって皮質における機能的構造の神経網に異常をきたしたものと思われる。 この光学的方法の有利な点は神経活動の時空間パターンをリアルタイムでイメージ化できることである。
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