研究課題/領域番号 |
03454353
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 助手 (80135912)
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研究分担者 |
前田 達浩 杏林大学, 医学部, 助手 (50210993)
永松 信哉 (永松 信也) 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
星野 孝夫 杏林大学, 医学部, 教授 (90010165)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | C-CAM / K3 / 細胞-細胞接着蛋白質 / 脳血液関門 / 細胞細胞接着蛋白質 / CーCAM105 / グリオ-マ細胞 |
研究概要 |
1.ラット胎仔脳血管における細胞細胞接着蛋白質C-CAMの発現 脳腫瘍細胞の増殖能及びその表現型の解析と共に、患者の治療上重要な要因は、脳腫瘍、外傷、血腫などによって惹起される脳浮腫を制御することである。このような病変により、内皮細胞が損傷を受けると、軽度の場合にはtight junctionの破綻が生じ、また強度の場合は内皮細胞それ自身の破綻を生じ、脳血液関門(BBB)が破綻されることにより血漿成分の血管外腔への漏出が生じ、これに伴って脳浮腫が生じると考えられる。C-CAMは、CEA familyに属するイムノグロブリンスーパーファミリーに属する110KDaの細胞膜蛋白質であり、本研究によって胎仔期および生後早期の脳血管に発現することがみいだされた。経時的にC-CAMの発現を検討すると、C-CAMは、E-12より脊髄及び脳の血管に認められ、E-15に最も強い発現がみられた。E-15の免疫電顕では、C-CAMは血管内皮のabluminal側と血管周囲の細胞の突起との間に存在した。さらに、生後1日目には内皮のabluminal側とpericyteの間、pericyteと周辺のgliaとの間にC-CAMが発現し、この蛋白質が細胞-細胞接着能を持つことを考えると、脳血管内皮とpericyte,gliaとの接着を制御することにより、脳血管内皮細胞の分化を促進し、脳血液関門形成への過程に深くかかわっている可能性が示唆された。さらに新たに、C-CAMに対する単クローン抗体の作製を行い、C-CAMに強く反応する2つの抗体を得た。この抗体を用いたラット各組織の免疫組織学的解析の結果、異なった分布様式を示し、isoformによる発現の違いが考えられる。 2.cDNA K3クローンは脳血液関連蛋白質HT-7抗原、OX-47抗原、Basiginと類似のものであることが判明した。cDNA K3クローン(λgt 11)から、分子生物学的方法を用いて融合蛋白質を作製、それを免疫源として抗体を作製した。この抗体を用いてラット脳血管発生におけるK3蛋白質の発現をみると、P-8時に脳血管内皮細胞のtight junctionにあることから、この蛋白質も又BBB形成に重要な役割を果たしていると考えられ、現在その機能的役割について研究がすすめられている。
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