研究課題/領域番号 |
03454354
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坪川 孝志 日本大学, 医学部, 教授 (80058958)
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研究分担者 |
石川 紘一 日本大学, 医学部, 教授 (20060048)
片山 容一 日本大学, 医学部, 助教授 (00125048)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 除神経性疼痛 / 中枢性疼痛 / モルフィン / ケタミン / バルビツレート / 視床痛 / 大脳皮質運動領 / Thalamic pain / Central Pain / Motor Cortex / Stimulatio Therapy / cytochrome oxydase / somatosensory cortex / thalamus / thalamic pain / pain / hyperactivity |
研究概要 |
痛覚求心系が中枢神経内で障害されると、その障害部位に対応して知覚障害が発生し、数ヵ月の経過で激しい疼痛に変化する。このような除神経性疼痛はモルフィンに反応せず、治療が困難であったので、その発生機構を明らかにするとともに、臨床的な治療法の開発を目的とした。脊髄レベルで脊髄視床路を切断した動物ならびに視床レベルで体知覚中継核を破壊し、除神経性疼痛が発生したと行動学的に判定された動物で検討したところ、1)^<14>C-deoxyglucose autoradiographyならびにcytochrome oxydase活性では、脊髄障害群では障害対側の視床体知覚中継核の著しい代謝亢進を認め、視床体知覚中継核の破壊後には、障害同側の大脳皮質知覚領において代謝亢進を認めたが、大脳皮質知覚領特有のバレル構造は消失した。2)脳内での過剰放電は、代謝活動の異常亢進が認められた部位で記録され、MK-801の投与によって容量依存性に減少し、正常動物の放電数より僅かに高い値にまで減少したことから、NMDA receptorを中心とした新しいシナプス形成が過剰放電を発生させる主要な要素であることが判明した。3)過剰放電に対する電気刺激の効果を検討すると、大脳皮質知覚領での過剰放電は大脳皮質運動野を刺激してはじめて抑制された。臨床的検討では、除神経性疼痛として代表的な視床痛に対して、モルフィンが無効でバルビツレートやケタミンが一過性に有効であることから、薬理学的に除神経性疼痛の特徴を捉えることができた。薬理学的評価によって手術適応を決定したところ、視床痛に対しては、大脳皮質運動領硬膜外に平板電極を挿入し、それを皮下に埋めた受信器と結線して、無線方式で対外の発信器を用いて刺激する方法によって、75%の症例で満足すべき除痛効果を得ることができた。また、この治療法は各国で追試され、本年のヨーロッパ機能的脳神経外科学会の主要テーマとして採択された。
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