研究課題/領域番号 |
03454367
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松山 敏勝 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20190548)
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研究分担者 |
賀来 亨 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (60133253)
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 診断法 / 成長因子 / 骨内非コラーゲン / 骨内成長因子 / 骨内非コラ-ゲン蛋白 |
研究概要 |
最終年度として以下の成果をあげることができた。 (I)前年度に樹立したヒト骨細胞株SV-HFOを用いた骨内成長因子の効果の解析を進めた。SV-HFO細胞は1,25(OH)_2VD_3とTGFbeta_1の作用発現においてヒト正常骨形成細胞とまったく同様の機構で制御されていることを明らかにした。すなわち、アルカリフォスファターゼ、BGP産生能は1,25(OH)_2VD_3で上昇し、レチノール酸により抑制を受けた。TGFbeta_1はこの1,25(OH)_2VD_3の発現を修飾することを産生能およびノーザン・プロット解析で明らかにした。したがって、SV-HFOはヒト骨細胞の各種骨内成長因子や各種骨粗鬆症治療薬剤の効果発現の機序を検討する上ですぐれた細胞株であることを認めた。 (II)前年度に作製した抗ヒトBSPII単クローン抗体を用いてヒト正常骨・軟骨組織でのBSPIIの局在を検討した。得られた3種類の抗体(42、57、72)はいずれも同一の局在を示した。すなわち、骨芽細胞、骨細胞の細胞質の顆粒状に認めた。しかし、破骨細胞、増殖軟骨細胞、肥大化軟骨細胞、線維芽細胞にはいずれも陰性であった。類骨より層板骨基質にも陽性に認められたが結合織基質には陰性であった。この結果は、BGPが肥大化軟骨細胞の一部に陽性であり、層板骨基質には陰性である点、Osteonectinが軟骨基質および肥大化層と石灰化層の軟骨細胞に陽性である点がBSPIIの局在と異なっていた。 以上よりBSPIIはその組織局在よりBGP、Osteonectinよりも骨形成により特異的マーカーと考えられたので、生化学的定量システム化をELISA法によって行った。一次抗体として抗体42を用いたcompetition assay系では、精製BGPIIを標準試料とすると、5-100ng/mlの間で良好な直線性が得られ、臨床応用の可能性が明らかになった。 さらに、イヌ骨組織よりBGPの精製を行い全アミノ酸配列を決定した。イヌBGPは分子量5,682で49個のアミノ酸残基よりなっていた。N末端より4番目のセリンがイヌBGPに特有であり、ほかの哺乳類と高い相同性が認められた。ヒトと骨代謝が最も近似する実験動物として現在、イヌが骨代謝研究のin vivo modelに最適とされている。イヌBGPは本実験系を用いる研究のために有用と考えられた。
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